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在る偏屈者による半年遅れのMBA留学日記、そして帰国後に思うこと
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 今日は妻との5回目の結婚記念日。

交際を始めたのと同じ日(もちろん同じ年ではない。3年後)に入籍したので、交際を始めてちょうど8年になる。8年…、人生の1/4である。その間にお互い、仕事が変わったり、住む場所が変わったり、立場が変わったり、海外に出たり、子供が生まれたり、また生まれたり、環境も自分たちも本当に目まぐるしく変化してきたなあと、改めて思う。いや、どちらかというと穏やかに平和な人生を歩んでいた妻を、めまぐるしい変化に巻き込んでしまった印象が強い。どうしても拙速に事を進めようとしたり、とにかく色んなことに手を出そうとしたり、短気になったりしがちな私の性格は、本来的には妻の好みではないように思う。それをよくブレーキを踏みながら、ついてきてくれたものだと思う。お蔭で、8年前はもちろん、5年前に比べても、多少はバランスの取れた人間になってきたように思う(いや、飽くまで比較論の話であって、バランスが良いといっているわけではない)。

昨年の記念日は、ベビーシッターを雇ってディナーに出かけたが、それもやはり心からエンジョイできないので、今年は自宅で普通に妻が作ってくれた夕食を家族で食べた。いつもと違うところといえば、近所で花を買ってきたくらいである。妻が希望したことなので、これでいいのかもしれないが、何となく申し訳ないような気もする。来年は、どこかにディナーに行こう。

奥様、これからもよろしくお願いします。

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長い冬休みが終わり、学生生活が再開した。恐らくこれほど長い休みは、少なくとも向こう10年間はないだろう。

休み明け初日の履修科目登録の日は、毎度のことながら懐かしい顔ぶれに出会う。校舎に入ると2、3歩進むごとに誰か友人に会って立ち話となる。ただ、耳に入ってくる話の内容は、夏休みの後とは随分異なる。1年生は、「インターン、どこか決まった?」「いや、どこも厳しい」といった話がほとんどで、冬休みの楽しい旅行の話をしている連中は少数派の様子。一方で2年生は、多くは冬休み中にG-labに参加していたため、そのプロジェクトの様子、およびその前後の旅行の様子が話題の中心になっていた。しかしだからといって、2年生の職探しが1年生に比べて順調なわけでは決してない。むしろ、仕事が決まっている学生とそうでない学生がいて、そうでない学生の方の状況があまりにも深刻なため、そうした話題を皆避けている、という見方の方が正しい気がする。なにしろ、昨年であれば、春学期開始時点で、2年生の95%以上が何らかの仕事の内定を受けていたそうだが、今年はそれが6割を切っているというのだから、劇的な環境悪化である。私もある意味でそのクチだが、2年前に入学した頃は出身会社になんか戻らないと豪語していた連中も、今はほとんどがモトサヤに戻ろうとしている。

そんな中で迎える最後の学期、皆は何をここで得ようとしているのだろうか…。

ちなみに私は、すぐに役に立つスキル系の授業と、世の中の仕組みを一歩引いて考えるような授業を履修するつもりである。




 4泊5日で、フロリダ・オーランドにあるWalt Disney World Redortを訪れた。正直なところ、長らく家を空けて迷惑をかけた家族への償いの意味も大きかったが、「本場」米国のディズニーランドが東京のそれとどう違うのか、そして娘がどのような反応をするのか、興味があった。

「本場」のディズニーランドと東京のディズニーランドの違い
  • 東京のが「ディズニーランド」と「ディズニーシー」という2つのテーマパーク、一つの園外ショッピング施設(イクスピアリ)、2つ(?)の直営ホテルからなっているのに対し、「本場(ここではオーランドのやつを指す)」は、4つのテーマパーク、3箇所のショッピング施設、数え切れないほどの直営ホテルからなっており、とにかく規模が桁外れに大きい。お父さんのためにゴルフ場まである(バンカーがミッキーのかたちになっていたりする)。それらが、自然の地形を活かして、非常にうまくレイアウトされている。
  • 一方、一つ一つの施設は東京のそれに比べてそれほど大きいわけではなく、例えばテーマパークの一つであるMagic Kingdom Parkは、文字通り東京ディズニーランドと生き写し。園内の主要アトラクションのそれぞれがほとんど共通しているだけでなく、そのレイアウトまで同じで、東京ディズニーランドを知っていれば、地図がなくても行きたいアトラクションに行けるくらいである。
  • 「本場」は来場者にカネを落とさせる仕組みが行き届いている。一番感心したのは、直営ホテルのルームキーが、入場券とクレジットカードの機能を兼ね、リゾート内のすべての購買行為が、その一枚で済んでしまうこと。「夢の国」ではおカネをいじくらなくても良いのである。マーケティングの授業で習ったが、人間は支払い行為が実際の貨幣から遠くなればなるほど、財布の紐が緩むらしい。つまり現金より小切手、小切手よりクレジットカードの方がカネを使いやすい。それがクレジットカードからルームキーになると、より財布の紐も緩む、という作戦だろうか。そしてこの「罠」にできるだけ多くの来場者を取り込むために、直営ホテルも実に幅広い価格帯で提供されている。一番高い部屋と安い部屋では、ざっと見ただけでも20倍ほどの価格差がある。プレミアム層だけしかカバーできていない東京とは、そこも違う。
  • 「本場」はやはりショーやパフォーマンスが違う。結局は題材が米国のアニメだから、こればっかりは日本人がどんなに頑張っても、ガイジンにはかなわない。動きや真剣度においては、もしかしたら東京の方が勝っているような気もしたが、見た目の問題はやはり大きいのである。ただちょっと気になったのは、パフォーマーの平均年齢がやや高いこと。原因は不明。

「本場」のディズニーランドでの娘と東京のディズニーランドでの娘の違い
(※米国で生まれた次女は比較感がないので、ここは長女の話)
  • まず、ミッキーやキャラクターへの思い入れが違う。東京ディズニーランドに行ったのは彼女が1歳半くらいのときだが、あの頃はなんだか良くわかっていなかったように思う。しかし今は、主要キャラクターはすべて知っているので、見つけるとそれなりに興奮する。
  • 但し、キャラクターが近づいてくると、以前よりも怖がる。キャラクターにもよるのだが、一定距離よりも近づいてくると、泣きながら逃げ出したりする場合もある。生身の人間(例えばお姫様系のキャラ)で、屋外で会うときは、ほぼ問題がないのだが、着ぐるみで屋内になると、とても怖いらしい。
  • 一方で、乗り物系のアトラクションにはガンガン行く。ゴーカートも自分で運転席に座ったし、ジェットコースター(といっても彼女の身長で乗れるヤツなので大したことはないが)も大喜びで、二回も乗ってしまった。1年ほど前までは、この手のやつについて「やってみる?」ときくと「やってみない」という答えが返ってくるのがお約束だったのだが、えらい違いである。

というわけで、色々な違いを感じた5日間であった。

 昨日は一日かけて、パイネ国立公園からバスを乗り継いでチリ側パタゴニアの中心都市Punta Arenasまで南下し、市内のホテルに一泊した。この旅行最後の宿泊となる。

そして一夜明け、朝から快晴。旅行最終日にして初めてパタゴニアの澄んだ青空を見ることができた。
ボストンへと続くサンティアゴ行きのフライトは15時15分の出発予定。一方で人口11万人のPunta Arenasの町は、中心街を回るだけなら15分も歩けば終わってしまう。
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そこで、町から60kmほど離れたところにあるマゼラン・ペンギンの営巣地に行ってみようと思った。通常ならば日帰りツアーで一人20ドルほどのところだが、ホテルの近くの旅行会社を訪ねてみると、午前中のツアーはどこもやっていないという。午前中に行くためには車をチャーターしなければならないのだが、旅行会社の言い値は一台80ドル。それはちょっと高すぎるので、レンタカー会社をあたってみたが、どこも全車出払っているという。この不況下でも、パタゴニアの観光客は減っていないということか。結局、街中でみつけたタクシーの運転手と交渉して、往復50ドルで行くことにした。
羊の放牧地の中の砂利道を延々と走り、やがて濃紺に白波のたつ海がみえてくると、そこが現場。ゲートを通って歩いてゆくと、草むらの中にちらほらと野生のペンギンの姿がみえてくる。
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遊歩道を進むにつれてその数は増え、ビーチに着くと夥しい数のペンギンたちが波打ち際でたむろしていた。海で泳ぐもの、浜辺でじゃれあうもの、物陰で強風をよけるものなど、様々である。
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面白いのは、草むらにある巣と浜辺を行き来するペンギンたちの様子。風雨をしのぐための巣は草むらの地中に穴を掘って作られてあり、まだ泳ぐことのできない、この時期孵化したばかりでまだ泳ぐことのできない雛鳥は皆そこにいる。親鳥やその仲間たちは、一部が巣を守りながら、一部が浜辺に「通勤」してエサとなる魚介類を獲得し、巣に持ち帰って家族を養うのである。途中の獣道にはショートカットのためのトンネルまで掘られてあり、レベルの高い集団生活を営んでいることがわかる。
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パタゴニアではもう御馴染みの強風でまともに会話もできないほどのコンディションであったが、水族館などでは見ることのできないペンギンの野生の生態をみることができたのは、非常に興味深かった。

これをもって、2週間余りにおよんだ南米旅行もおしまい。あとはサンティアゴ、アトランタを経由して、南米大陸の最南端から、北米大陸の北東部にあるボストンまで帰るのみである。大学生時代はよく海外一人旅をやったものだが、30歳を過ぎてまたそれを、しかも南米でやるとは思わなかった。ボストンで待ってくれている家族のおかげである。これから先の人生で、またこんな一人旅をやるとはとても思えないが、10年前にこの旅行を想像できなかったように、人生どう転ぶかわからない・・・かもしれない。



ハイキング二日目。お約束どおり、朝から足が鈍い筋肉痛だが、えいっ、と外に出る。天候は快晴、とはいかないが、風がない分だけ前日より随分と温かく感じる。しかし予報ではまた雨が来るらしく、油断できない。

前日はロッジの西方グレイ湖の奥にある氷河を見に行ったが、今日は北にそびえるパイネ山を東に回りこんで、山麓にあるフランシス氷河、そしてその東のマスカラ山を見に行く。
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最初の7km半ほどは、比較的なだらかで歩きやすい道程。左手にパイネ山を見ながら、茂みや小川の中を歩く。ときおり、パイネ山の雪解け水が作り出す細く長い滝がみえる。
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出発から2時間弱で、イタリアーノ・キャンプに到着。雪解け水を集めて流れる川の音とマイナス・イオンに癒される。
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小休止の後、パイネ山とマスカラ山の間の沢を登って、さらに高地にあるブリタニカ・キャンプを目指す。水の流れに逆らって岩場をよじ登る、文字通りの沢登りである。一気に標高400mほどを登るのだが、足場が悪く、かなりつらい。なんとか登りきり、樹木に覆われた尾根道を進むと、急に視界が開け、岩場で覆われた高台に出る。ここからの眺めは素晴らしい。一方には青い氷河と白い万年雪を湛えたパイネ山、そこから垂れる幾筋かの滝と、それらを集めて眼下を流れる激流、そしてもう一方にはショート・ケーキのように異なる地質の層を重ねたマスカラ山の独特の景観が迫る。どんよりとした曇り空が残念だが、それでも多様・多彩な自然は凄い迫力で迫ってくる。
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そこから更に1時間ほど歩いて、ブリタニカ・キャンプに至る。キャンプ場の中でもかなり奥地にあるため、トイレを含め、設備らしいものは何もないが、ともかくそこで昼食にする。昼食のメニューは前日とまったく同じサンドウィッチ。それでも腹が減っていればなんでも食えてしまう。食べていると、空模様が怪しくなってきた。雨が近づいているのかもしれない。結局Steveと話し合った末、そこで引き返してロッジに戻ることにした。

帰路、また前述の高台で一休み。パイネ山の氷河を眺めていると、轟音とともに雪崩が起きた。頂上に近い山腹で起きた雪崩は、滝となって崖から流れ落ち、数段それを繰り返して緩斜面で止まった。5分程流れが続いたが、やがて流れの弱まった滝もそのまま凍りつき、全てが静止した。およそ20-30分に一度、こうした大小の雪崩や氷河の崩落が起きている。フィクションでは作り出せない、生の迫力である。
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ロッジまであと6kmほどとなったところで、風雨が厳しくなった。あの沢道を風雨の中で下ることを想像すると、早く引き返して正解だったと胸をなでおろす。そして横殴りの雨でびしょ濡れになりながら、午後5時前にロッジに到着。全26km、8時間のハイキングであった。前日と合わせて総歩行距離48km。マラソン選手はこれに近い距離を2時間そこそこで走るのだろうが、とても人間業とは思えない。足がまさに棒のようで、シャワーをするのも一苦労である。

夕食後、暖炉のそばで寛いでいると、スローンから来たの?とインド系米国人のカップルに声をかけられた。友人がスローンの2年生にいるという。しばらくおしゃべりをしていると、女性の方は私と同じコンサルティング会社のシカゴオフィスでコンサルタントとして働いていることが発覚。こんな地の果てで同僚に会うとは・・・、パタゴニアは広いが、世間は狭い。




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PROFILE
HN:
Shintaro
性別:
男性
職業:
経営コンサルタント
趣味:
旅行、ジャズ鑑賞
自己紹介:
世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。

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