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「 Toronto - 2017 」
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5月初頭のトロントは、さすがに雪模様こそみられなかったが、まだ初春の装いであった。
1週間ほどの滞在のうち晴天は1日だけと天候に恵まれなかったこともあるが、気温が10度を超えることはあまりなく、コートやダウンジャケット、手袋といったアイテムもまだ街には多くみられた。それでもところどころに桜やチューリップが咲き、長い冬を抜けた人々の表情は穏やかで明るくみえた。

今年で建国150周年を迎えるカナダにあっては比較的古くまた最大の都市でもあるトロントは、環境や治安の良さもあって移民が絶えず(今でも人口の半分以上は第一世代移民とのこと)、人口成長が続き、北米でも最大の都市のひとつになっている。しかしながら、ニューヨークやロスのような猥雑な混沌さはあまり目立たず、比較的落ち着いた佇まいであるのは、トロント島のような自然がすぐ目の前に残されていることや、英仏両国語を母国語とするカナダ独特の異文化や来訪者への寛容さによるのだろうか。中国人街、ギリシア人街、イタリア人街といったエスニックゾーンは存在するものの、トロントで感じられる人種や文化を超えた人の融合の度合いは、米国の都市でみるそれよりも自然で、健全であるように感じられた。

この国においては「古い」とはいえ、世界的にみればまだまだ新しい街でありながら、市庁舎や州庁舎、大学など、程よく枯れた建物が街に魅力を添えてくれるのは、これまで戦火に巻き込まれたことのない大都市としての特権だろう。特にオンタリオ州庁舎は、脇に大学や他の庁舎を従えながら、良く計画された街路に囲まれて、街の中心に風格を与えていた。学生の多いその界隈で最も目立ち、便利の良いオフィスビルに、Airbnbが入居していたのも印象的であった。湖畔の大きなビルに看板を掲げるIT企業たちに、君たちはもう古いよ、と言っているかのように。

オンタリオ湖の北岸に展開した街の少し沖合には、トロント群島がある。湖畔から目と鼻の先の距離で、近いところでは100mほどしか大陸と離れていない島ながら、敢えて架橋せずにボートでしか渡れないようにしてあることが、この島の自然と静けさを保ってくれている。ボートに15分ほど揺られて渡る島にはわずかながら住人もいるが、島のほとんどの部分は公園で、ヨットハーバーや小さな遊園地、プロペラ機専用のローカル空港などもあるが、いずれも散策する人をまったく邪魔しない。自動車が走らないためか水鳥などの動物が多く、人々も穏やか。水辺から眺めるトロント市街の全景は、なかなかの絵になる。

ほとんどの市民が英語で生活する中でも英仏両国語併用に拘り、建物の新陳代謝が進む中でも歴史を大切にし、自動車社会でありながら島には橋を架けない。こうした拘りと「無駄」は、やはり都市の魅力には必要なのだと、改めて教えてくれる街である。

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経営コンサルタント
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旅行、ジャズ鑑賞
自己紹介:
世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。

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