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「 SloanGear 」
先ほどの記事に補足するが、会社を大きくするためには、大きく分けて3つの方法があると思う。
①もっとやる
②より上手くやる
③やることそのものを変える

①は、文字通り、もっと一生懸命働く、ということである。
1日4時間しか働いていなかったなら、8時間働けば、売上は倍になるかもしれない。
一日5分考えるのよりは、一日50分考えた方が、良い結果が出るかもしれない。

②は、効率の問題である。
1日8時間働いていても、その中で8個しか製品を作れなかった人を、16個作れるようにする。
1日8時間で2回しか顧客を訪問していなかった営業マンを、4回訪問できるようにする。
そういった類の打ち手である。

そして③は、所謂イノベーション、あるいは事業変革である。
今まで中古車専門でやっていた店で新車も扱うようにするとか、
それまで自社でやっていた生産を海外のベンダーに外注するとか、そういうやつである。

当然、①の方がやさしく、③の方が難しい。
また効果が出るのも、①は比較的早く、③は時間を要する
コンサルタントとして顧客の会社に入ってゆくと、多くの場合、①で結構良いところまで改善することに気づかされる。ただ逆に、じっくりと③に取り掛かれる機会というのもあまりない。
そして、今回のSloanGearの売上拡大が何によって成し遂げられたかというと、やはり①が大きかったように思う。もちろん、色々な業務を見直したり、コミュニケーションを改善したり、②っぽいことも少なからずやったが、それでも増収の多くは、平たく言えば前年度よりマジメにやったことの成果だと思う。

そういう意味でも、私は何も難しいことをしていないと、改めて思う。
そしていつの日にか、②や③が求められる状況に来たときに、どれだけ対応できるかが、次のチャレンジになるだろう。

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いよいよ、名実ともにSloanGear CEOとしての最終日を迎えた。
本日をもって、新チームから買収金額の払い込みを終え、会社譲渡の合意文書にサインをした。
以前にも書いたように、ちょっと寂しいような気もしたが、チームメンバーをみると清々した顔つきのようにも見え、まあ一件落着かな、と思う。
結局利益では昨年度に1%程度及ばなかったが、売上では昨年度を12%ほど上回った。利益を損ねては意味がないのだが、売上だけでいうと、去年の4月に(テキトーに)作った事業計画の目標値を僅かながら上回ったことになる。会社を引き継いだ段階では予想もしていなかったような未曾有の不況の中では、まあ良くやった方ではないか、と自画自賛してみる。

振り返ってみると、やっておいて良かったと思うこと、これをやっておけば良かったと思うこと、いろいろな反省がある。

やっておいて良かったこととしては、例えば
  • 常に1-2ヶ月先を考えること。少なくともチームの誰よりも先を考えていること
  • 毎週全員参加のミーティングをやること
  • 数字(売上、在庫、利益率など)は自分でみること
  • 基本的には細かい管理をせず、任せること。但し問題が発生した場合は、自分で手を動かして処理できるレベルまで掘り下げること
  • 常に悲観的に考え、「プランB」を用意すること。但しそれは必ずしも皆に見せないこと

逆に、やっておけば良かったと思うことは、多々あるのだが、例えば
  • もっと一人ひとりのメンバーと話す機会を設ける
  • モノの流れと同じかそれ以上に、カネの流れを考え、管理する
  • 他人に売る商品は、注文する前にまず自分が目で見て、手で触ってみること
  • 人に頼りすぎない・期待しすぎないこと
といったところか(何か書いてみると至極当たり前にみえるが、そんなものなのかもしれない)。

ともあれ、Class of 2009マネジメントチームの皆さん、これまでありがとう。お疲れ様でした。
そしてClass of 2010マネジメントチームの皆さん、頑張って!!

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SloanGearの売却先が決まった。
手塩にかけて育ててきた会社なので、子供を嫁に出すのにも似て(って出したことはまだないが)、勿論もらい手が見つかって嬉しい反面、自分の手から離れていって寂しいような気もする。
買ってくれることになったのは、スローンの1年生10人のチーム。
我々の代と同じ人数であり、またなんと次のCEOも同じ日本人。
スローンに入学するまでは考えたことも聞いたこともなかったこの会社、過去に関わった日本人がいるとは聞いたことがないし、恐らく他の日本人学生も知らなかっただろう。それが二代続けて日本人がリードすることになるとは、面白いものだ。私たちの代でやってきたことが日本人学生の新しい活躍の場を作り、それがひいてはスローンの中での日本人のプレゼンスの向上に繋がっていくとしたら、当初想像もしなかった嬉しい成果である。手を挙げてくれた次のチーム、次の日本人CEOに感謝したい。我々の代も不況の逆風に苦しんだが、少なくとも会社を買った当初は、景気はまだ良かった。それに比べて、今回名乗りをあげてくれたチームは、かつて経験したことのないような不況の真っ只中で小売の会社を身銭を切って買おうとしてくれているのだから、大変な決心だろう。
買い手が決まったとはいえ4月末日までは我々の会社である。それまで残りの営業を順調に続け、残務を処理し、学んだことなどを整理して、きちんとしたかたちで引き継げるようにしたい。




今日はSloanGear最後のロビーセール。
昨年5月に会社をスタートさせて以来、大小あわせて都合11回目のセールである。
長かったような、短かったような。
もっとも、今日の結果次第では、4月中にもう一度ロビーセールをやる必要がある可能性もあり、本当に今日が最後かどうかはやってみないとわからない。というのも、今日一日で約4,000ドル以上売れなければ、諸々の背景から設定された財務目標を達成できず、それが達成できるまでもう一度やらなければならないからである。昨年の4月のロビーセールスが約2,700ドルの売上に留まったことを考えれば、これは結構ストレッチした目標である。

普段よりも大きな、そして去年よりも大きな売上を達成するための武器は、過去10回のセールで一度もやらなかったような幅広い商品に対する値引きと、米国人スタッフ一押しの新商品、そして「これで最後だから買ってよ!」という同級生へのお願い作戦である。果たしてこれでどこまで行けるか-。例によって雨の中(11回のセールで雨が降らなかったのは1~2回だけ)、セールスタート。

果たして蓋をあけてみると、非常に好調な滑り出し。
昼休みは文字通り黒山の人だかりで、接客が追いつかないほど。あっという間に売上は$2,000を突破。
その後も休み時間のたびに多くの学生が立ち寄ってくれて、在庫を入れたダンボール箱が次々に空になっていく。やっと仕事が決まった、確定申告で税金が返ってきた、などと言いながら、今までどんなに売り込んでも買ってくれなかった学生も、数人購入してくれた。何より、今年のチームは良くやったと思うよ、というような賞賛の言葉をもらうと、もちろん多分にお世辞だとは思いながらも、やはり嬉しい。

そして夕方6時、セール終了。
何と売上は$5,000に達しようとしていた。
文句なし、目標達成!
一年間のロビーセールの合計売上は、昨年のそれを16%も上回ることとなった。
この不況下、ありがたいことである。
頑張ってくれたチームメンバーはもちろんのこと、これを支えてくれた顧客であり友人であるMBA学生のみんなに、大感謝。

他人にものを売ること、そのために商品、価格、陳列などを考えること、
チームの目標を設定すること、チームを鼓舞すること、自分を鼓舞すること、
本当に色々と勉強になった。

あとは無事に会社が次のクラスの学生に売れることを祈るばかりである。




このブログでも何度か触れている学生企業SloanGearも、昨年5月1日に営業を開始してから10ヶ月余りが経過した。あと1ヶ月ほどで次の代のオーナーをみつけて会社を売却し、引き継がねばならない。昨年、仲間10人で総額35,000ドルほどを投資して買ったこの会社、その後の営業利益(期末に配当として10人で山分けする)でほぼ投資元本回収の目処はついたが、会社が売れなければその投資元本回収だけで終わってしまう上、10年以上続いてきたこのユニークな経営実践訓練の場が失われてしまうので、次のオーナーチームを発掘・育成することは現在最も重要な課題である。具体的には、この会社に興味をもつ1年生をできるだけ多く見つけ、チームを作ってもらって、翌月初旬までに買収提案をまとめて提出してくれるように誘導しなければならない。そこでこの3月に2回に分けて、会社の内容や投資・引継ぎの手順を現一年生に説明する説明会を開催した。去る5日に一回目を開催し、今日はその二回目。

説明会では、会社の概要や、投資の手順に加えて、新チームの事業機会や、今年1年の業況を紹介した。特に今年1年の業況を振り返ることは、自分たち自身の振り返りという意味でも、良い総括の機会となったと思う。
次の代に誇れる(というほど大げさなものでもないが、一応)成果としてアピールしたのは、次の5点。

①不況下でのバランスの取れた高成長
特に昨年後半から悪化した経済情勢と、それに伴うMBA学生の予算緊縮化にも関わらず、2月末時点で対前年同時期比売上22%増を達成。利益率は多少悪化したが、それでも利益額では昨年を十分に上回っている。また特定の部門に依存した成長ではなく、企画生産、受注生産など、全ての部門で昨年を上回った。

②事業インフラの強化
我々が事業継承した段階で既にパートナーシップが確立されていたTumiに加えて、Tiffanyともギフト商品の販売代理店契約を締結。
また遠隔地(といっても米国内だが)に住む卒業生向けに、製造・物流を委託化したオンラインショップを開設。
徐々にではあるが、収益に貢献している。

③製品ラインナップの改善
先代まではアパレル製品、とりわけ一部のジャケットに売上が極端に集中していた事実を踏まえ、パンツや子供用品、非アパレル製品などに商品を展開、より網羅的な商品群に育て上げるとともにバランスのとれた収益構造も実現。

④運営ノウハウの強化・確立
ミーティングやセールスを定例化し、サプライヤーとの交渉などのプロセスを標準化。
チームの組織上の役割・権限区分も明確化。

⑤ブランド認知度向上
スローンやMITの校内新聞、卒業生向けのニュースレターなどに記事をよせて、認知度を向上


こうしてみてくると、我ながら悪くない成果をあげてきたように思える(まあ良い点ばかり挙げているからだが)。チームの皆の努力の賜物である。
が、一方で、こうして総括していると、もう少し上手くできたのではないか、という点も、ハード面、ソフト面ともに思い出されてくる。特に最後まで(まだ最後ではないが)答えが見つかっていないのが、当初からあったチームメンバー内のコミットメント度合いのバラつきをどう底上げし、全体としてモチベーションの高いチームにしていくか、という点。そしてこれを達成するために、どう自分がチームを盛り上げていくか、という点については、いろいろ考え、試してみても、上手く行かなかった気がする。チームへの期待値が高すぎるのかもしれないが、できていないことばかりが目に付いて、できたことを讃えて力にしていく努力と工夫が足りなかったように思う。この部分は2年間の留学期間中に鍛えたいと思っていたスキルの最重要項目の一つなのだが、やはり生来ヒトを褒めるのが下手なのが、なかなか改善されない。毎週のチームミーティングなどでも、雰囲気が悪いなあと思うことはあるのだが、手が打てない。そういう意味では、あまり学べていないなあ、と思ったりする。

ともかく、そんなSloanGearもあと1ヶ月あまり。何とか有終の美にもっていけるようにしたいものである。





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PROFILE
HN:
Shintaro
性別:
男性
職業:
経営コンサルタント
趣味:
旅行、ジャズ鑑賞
自己紹介:
世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。

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