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「 Tanzania Trip 3 …自然のルール 」
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 タンザニア入りしてから二日目の今日は、セレンゲティ国立公園内を一日中車で回って動物見学をする。ゲームドライブといわれ、どこで何に出会えるかは、ドライバーの知識・技術と運次第である。我々の場合、ドライバーであるセレマニの豊富な経験と視力(本当に遠くの小さな動物でもすぐ見つける)、多少の運もあって、ほぼ全ての主だった動物を見ることができた。「見る」といっても、動物園で見るのとは異なり、野生の生活の様子を見るわけで、セレマニの説明とあわせて、なるほどと思わされることが多い。
というわけで、この日の記録は単に写真を並べるだけでも良かったのだが、折角なので忘れる前にこうした「なるほど」を記しておきたいと思う。

強者の自然抑制
ライオンはよく言われるように百獣の王。大人のゾウ以外どんな動物でも襲って食べ(大人のゾウは大きすぎて手に負えないらしい)、どんな動物もライオンを襲わない。要するに無敵である。そうすると、ライオンばかり増えて困りそうな気もする。しかし、無敵の強さを誇るが故の「問題」があり、結果としてあまり増えないように出来ている。その仕組みは、どことなく人間社会に似ている。
IMG_2710.jpg
  • 少子化… まず、繁殖率が低い。ライオンはカップルになると、性交渉を始めるのだが、受精に成功するのに15~20分間隔で休みなく性交渉を繰り返して2~3週間かかるらしい。一日12時間「頑張る」として、700回くらい「頑張っ」てやっと一回成功する計算である。成功すると3週間で6匹ほどの子供が生まれるのだが、この子供が自立するまでのおよそ4年間は、母親は次の繁殖活動をしない。ライオンの寿命は15年ほどなので、一生に2回ほどしか繁殖の機会がないことになる。しかも生まれた6匹の子供のうち、成人するのは2~3匹。こうして一匹のメスから多くて4~6匹しか繁殖できないのだという。
  • 嫉妬… ライオンのオスは他の動物に比べてメスの独占意識が強く、メスを奪うために他のオスと闘うことは勿論、既に繁殖活動を終えて妊娠あるいは出産したメスを奪うと、その子供を殺してしまうらしい。種の保存にリスクを抱える他の弱い動物では、こうした「余計な」感情は働かないようである。
  • 縄張り意識… ライオンは縄張りで生きているので、新しく成人したライオンは、親元から離れて自分で新しい縄張りを見つけなければならない。これができないと、親を含めた他のライオンから妨害されて思うように狩りができず、生きていけないらしい。当然、生活可能領域に限界があると、それが自然の繁殖限界となる。
  • 病気… ライオンは他の動物よりも病気になりやすいらしい。余り数が増えるとライオン同士で感染し、数が減るように出来ているのだという。

意外な強者
動物園で見る姿や、それら動物を題材にしたキャラクターなどから得られるイメージに比べ、他の動物(特に肉食獣)との戦いにおいて意外な強さを発揮する動物もいる。キリンとカバが代表格に思えた。
まずキリンは、脚力が非常に強く、ライオンなどの肉食獣が襲ってきても、後足で蹴り飛ばすことでかなりの攻撃力があり、一撃で返り討ちにすることもあるらしい。実際に、彼らが走っている姿を見かけると、あまり早くはないのだが、急斜面などもふわふわと飛ぶように軽く登っていく。
IMG_2659.jpg
またカバはまず図体が大きいのと、口が異常に大きいために、体当たりや噛み付きで相当の破壊力があるらしい。水辺に暮らす彼らが最もよく出会う肉食獣はワニだが、ワニはリスクが大きいのでほとんどカバを襲わないという。稀にワニが子供のカバを襲う場合もあるらしいのだが、そうするとその家族のカバが後々までそのワニのことを覚えていて、集団で襲い続けるらしい。従って、一大決心をしてカバの子供を襲ったワニは、その後すぐ逃走して、二度とその水辺には戻って来られないのだという。そんなわけで、我々が見たワニは、カバの群れが昼寝しているすぐそばで、彼らを襲うことなく一緒に昼寝をしていた。
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意外な弱者
反対に、イメージよりも随分弱い肉食獣もいる。その代表例はチーターだろう。
草原に住むライオン、ヒョウ、ハイエナ、マングース、ヘビ、ジャッカルなどの肉食獣のうち、チーターは最も弱いらしく、例えば彼らが獲物を捕らえて食べているときにハイエナが寄ってくると、一目散に逃げてしまうらしい。また速く走る能力との引換えでもあるのだが、頭が非常に小さいので、バッファローなどの大きな草食動物は噛み殺すことができず、比較的小型の動物しか狙えないのだという。そして速く走るという最大の取り得も、確かに最高120km/hほどで走るので速いのだが、300mほど走るとバテてしまうらしい。かなりイマイチな動物である。
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共存共栄
ヌーとシマウマはいつも行動をともにしている。これらの動物は、タンザニア北部のセレンゲティなどの草原と、ケニア南部のマサイ・マラの間を、季節に応じて大移動するのだが、その移動も一緒に行うことが多い。これは、ヌーが外敵を察知する能力に長けているのに対して、シマウマがはぐれた仲間を見つける能力に優れているため、一緒にいることでお互いのメリットがあるかららしい。
我々が訪れた時期はこれらの群れが全てタンザニア側にいる時期なので、ゲームドライブの間、見渡す限りの大地を覆うほどの大群に出会うことがたびたびあった。
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姥捨山
どの動物の世界もそれぞれに厳しいのだが、バッファローの世界はお年寄りに厳しい。群れで暮らすバッファローだが、歳をとり、子供の世代が群れのリーダーシップをとるようになると、親の世代は群れから捨てられる。せめてもの情けで、捨てるときには2~3頭セットで捨てられるらしいが、捨てられたバッファローは草原で堂々と生きていくことが難しく、茂みの中で暮らす。そしてそのうち肉食獣に襲われるか、老化するかして死んでいくのだという。宿泊したロッジのそばの茂みの中で暮らす、群れから捨てられたバッファロー「二人組」がいたが、老体のためか動きも緩慢で、とても寂しげだった。
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というわけで、なんだか動物図鑑みたいになってしまったが、動物の世界は単純なようにみえて複雑な社会関係や力関係があり、それらが実に上手くバランスすることで持続可能な再生産が行われているのだということが、実感できた。そしてそうしたバランスを壊す人間という動物の罪深さも、改めて思い知らされたのだった。
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経営コンサルタント
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世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。

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