忍者ブログ
「 SloanGear 」
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



今日は11月のLobby Sale。

秋学期も2ヶ月余りが過ぎ、SloanGearの運営も軌道にのってきた。売上や資金繰りなどの「数字」の面だけではなく、運営上も個々の打ち手の位置づけや先々を見据えた活動を考え、実行できるようになってきた、という意味である。
例えば、売上の柱の一つであるスローン校舎ロビーでの商品販売(Lobby Sale)も、当初は「商品を仕入れて売る」という「作業」をこなすことで精一杯であったが、需要予測から仕入れに至る作業がチームの努力で効率的に回るようになり、最近ではセールごとの位置づけ/テーマ、それに基づく商品戦略、価格戦略などが議論できるようになってきた。今回でいうと、夏物から冬物への移行、などの我々の商品ポートフォリオ上の課題への対応と、感謝祭(Thanksgiving)直前というタイミングでのギフト需要対応、次回12月のセールとのバランス、などが議論され、アクションに落とし込まれた。また、「毎月やる」という方針を維持している限り放っておいてもやってくるLobby Saleへの対応だけでなく、収入源の多角化と業容の拡大という意味で、課題となっていたOBへの訴求も具体化されてきた。インフラとしては、Zazzleという小規模オンライン小売業支援サイトを活用して、全米各地に出荷できる本格的なオンラインショップを立ち上げることができたし、またマーケティング面でも、OBとのコミュニケーションを担当しているスローンの当該部署と話し合い、彼らが発行するニュースレターへの掲載にこぎつけることができた(発行は12月9日)。
やっと多少は、会社っぽくなってきたというか、チームとしての体を成してきたかなあ、と思う。一応私がCEOなのだが、10人のチーム全員が均等に出資しているし、また皆同級生なので、「コレヲヤレ」「アレヲヤレ」と「正しい」指示をすれば組織が動くわけではなく、それなりに気を遣う。それぞれがSloanGearの経験から得たいものや、各自の学生生活の中におけるSloanGearの重みも違うし、それをとやかくいう権利はだれにもないわけで、結局はそうしたものを所与としてできることをやるしかない。かといって淡々とこなしていても自分としての学びがないので、多少いろいろなことに手を出している。去年のチームを見て、もっとできるだろう、と思ったものだが、外野からみるのと当事者になるのとの違いを今、実感している。

当事者としての苦労といえば、実に素朴な、基本的なところで未だに苦労する。
例えば天候。私が基本的に雨男なので文句は言えないのだが、Lobby Saleのたびに雨が降る。今日も雨。雨が降ると学生がロビーで屯するという意味ではポジティブなのだが、倉庫から校舎までの商品の搬送が大変。
またセールの後に毎回在庫量を把握しなければならないのだが、販売時に正確な情報を捕捉しきれないため、「当初在庫-販売量」という理論上の在庫把握では追いつかず、結局毎回売れ残りを手で数えなければならない。
こうした作業ははっきりいって面倒くさいし、そうした面倒くさい作業においてどれだけチームの士気・やる気を維持・向上させるか、という問題には、ずっと答えがみつからない。とりあえず自分が率先してやる、というくらいしか具体的な答えがなく、今のところチーム内の平等な参画という視点よりも、できる人・やってくれる人にやってもらう、という「現実的」な視点が先に立っている。後半年ほどでチーム解散とはいえ、これでいいのか、というのは常に思うが、なかなか対案が見出せていない。

と、いろいろ書いてきたが、Good Newsは、売れていること。
今のところ、去年のチームよりもお蔭様で売上は順調に伸びている。この日も30万円以上の売上が上がった。やはり売れることが、自分のモチベーションにもチームの士気にも一番効く。
皆さん、お買い上げどうもありがとうございます。


PR


新入生のウキウキ感が覚めやらないうちに、ということで、秋学期開始から1週間目の今日、SloanGear今学期初売りを行った。夏休みのうちに、チームメンバーの参画度合いや、人間関係に大きな変化がおきていないかと多少心配したが、皆積極的に参加してくれた。
1年生の間にある程度SloanGearを認知させることが出来たこと、1年生の「特需」だけでなく、一部の新商品で2年生の購買も刺激できたこと、などが大きな達成点であったが、売上は金額的には次第点ながらも昨年同時期の実績に及ばなかった。「わかりやすさ」と「認知度向上」のために、「ロビーセールス毎月やります」という方針を打ち出したが、それがかえって学生の「買わなければ」という購買意欲を減退させた可能性もある。来月のセールスが勝負になるかもしれない。
売上以上に残念だったのが、心無い人による商品の盗難である。セールスは、昼休みを含めた授業の間の休み時間に集中するため、その時間帯の売り場は蜂の巣を突いたような騒ぎになり、「万引き」はやろうと思えば比較的簡単だろう。ただ世界に名だたるビジネススクールまで来てそれをやるか、と思うと、情けなくなる。MITのマスコットであるビーバーのぬいぐるみなどは、10個入ったダンボール箱を丸ごと盗まれてしまった。我々の管理不行き届きは厳粛に反省し、改めなければならないが・・・。



イタリア旅行からボストンに戻り、まだ時差ぼけが治り切らないが、6月6日、MITはCemmencement Day(卒業式の日)を迎える。HarvardやBoston Universityのような大規模校は、学部ごとに場所や日をかえて卒業式を行うが、学部と院をあわせて一学年2,000人足らずと比較的小規模なMITは、全卒業生合同で式典を行う。朝から始まって正午過ぎまで、大変な長丁場である。

そして私もこの日は朝から大忙し。
SloanGearの卒業式向け売り出しのためである。
自分を含めて10人いるメンバーのほとんどはインターンや旅行でボストンを離れており、残っているのはサッカーの練習で足の靭帯を切ってしまったメキシコ人のR君だけ。他のメンバーの友人や、私の友人J君などにヘルプに入ってもらって、なんとか準備を整える。特に大量に仕入れた商品を、私の寮の地下倉庫からセールスの会場まで運ぶのが一苦労。我が家のステーションワゴンの後部座席を倒して荷物を積み込んだが、それでも2往復しなければならないボリュームであった。帰りはこれが減っていてくれることを祈るばかりだ。

卒業式は全校合同で行われるものの、その後のパーティーはスクールなどに分かれて学校のあちらこちらで開かれる。スローンは、いつもC-Functionを行うWalker Memorialの裏にある芝生の広場にテントを張って、立食形式で食事と飲み物が振舞われた。我々は、そのテントの一角に場所を借りて、この日のためにデザイン・仕入れをしたスローン・グッズを売る。Tシャツ、パーカーなどの定番アパレルのほか、写真立てやマグカップなどの小物、さらにはMITのマスコットであるビーバーのぬいぐるみなど、品目数は40ほどにのぼる。価格を覚えるだけでも大変だが、アパレルはサイズや色の展開もあり、「素人」にはなかなか手に負えない。そして、大変ありがたいことだが、そうしたこちらの事情とは無関係に、13時ごろから卒業生とその家族、つまり我々のお客さんが、どんどん店にきてくれた。最初はぱらぱらであったが、そのうちそれが洪水のようになり、売り場は大混乱。金銭事故を防ぐために会計はメキシコ人のR君に任せる、などのオペレーションを決めていたが、それどころではなくなってくる。今思えば明らかにオペレーション上の準備不足であるが、何がどれだけ売れたか、捕捉できなくなっていった。娘二人を連れて、妻も応援に来てくれたが、マスコットとして期待された我が娘も、あまりの人ごみに完全に引いてしまい、かわいそうであった。嵐のような3時間があっという間に過ぎて、4時ごろ、パーティーの終了とともにセールスも終了。この間、飲まず食わず、トイレも行けず、立ちっぱなしの動きっぱなしである。パーティーの残り物のサンドウィッチとコーラで一息ついたが、セールスとは体力勝負である、というのを痛感した。

さらに、この日の営業はこれで終わりではない。
場所をスローンの前の広場に移して、今度は夕方18時から、OB向けのパーティーが開かれる。約400人ほどの卒業生が招待されているとかで、我々も学校サイドから出店を求められていた。
サイズや色が不ぞろいになってしまった商品を箱に積め直し、車でまたピストン輸送をして、次の営業の準備。
あっという間に18時になり、営業開始。
昼の営業は、「これが最後の機会」という学生側のある種の強迫観念と、「両親」という財源を得て、皆財布の紐がかなり緩かったが、夜のパーティーはそれほどでもなく、ひやかしは時々来るものの、思ったほど売れず、従って忙しくもない。途中から、日本人同級生のYU君も助っ人に来てくれたのだが、多少手持ち無沙汰で逆に申し訳ないほどだった。
ところが、この日のボストンは例外的に気温が低く、夜になってさらに冷え込みが強まると、何か上に着るものを求めて、客足が増えていった。生憎Tシャツなどはなかなか売れなかったが、単価の高いトレーナー、パーカー類がとぶように売れ、売上に貢献してくれた。

また、明くる土曜日もスローンのOB向けのイベントがあり、これに向けても営業を要請される。
これは校舎内での販売であり、空調のきいたところで快適に仕事が出来ること、また「売りっぱなし」の前日の経験から陳列やその他のオペレーションが改善されていたことなどから、スムーズな営業ができた。
前日とはうってかわって、この日は30℃を越える猛暑。
Tシャツや帽子、サンバイザーが良く売れた。
特に今回新作したヴィンテージ風(古着風)のTシャツは、アンティークなデザインと生地の風合いがうけて、完売となった。

2日の営業で、売上は総額7千ドルほど。
多くの人の助けを得て、一年でも有数の「特需」を、例年並みの営業成績で終えることができた。
いやー、疲れた疲れた。


SloanGear、初売りである。
5月1日に会社を引き継いでからわずか1日しか経っていないが、今日はAdMIT Weekendと称して、新たに合格した新入生(およびその候補)の人たちを学校が招待し、もろもろの説明会やイベントなどを行う日で、我々の重要な顧客となるClass of 2010の人たちに露出し、多少なりとも売上を期待することのできる貴重な機会であり、見逃すわけにはいかなかった。
とはいえ当然ながら新規に商品を企画したり発注したりする暇はまったくなく、基本的には前チームから引き継いだ(=簿価で購入した)在庫の中から比較的マシなものを展示して売ることになる。サイズや色展開が不揃いであるが、仕方がない。
校舎のロビーに「特設売り場」を設置し、商品を並べていく。
ちょっと学園祭のようでもあり、「自分たちで買った会社」が初めて物理的に姿を現す瞬間ということもあり、軽い興奮を覚える。
陳列のセンスも、前年度のチームより、多少なりとも良さそうである。
KICX7840.JPG

KICX7842.JPG 

KICX7844.JPG

午後3時を過ぎると、「顧客」が姿を見せ始める。
商品の価格が分からない、サイズ別の在庫保有状況がわからない、クレジットカードの切り方がわからない、など、小売商人としての素人っぷりが次々に明らかになるが、皆徐々にペースを掴みながら、売っていく。ポロシャツなど、比較的サイズがバランスよく残っていたアパレル商品がそれなりに売れた。一方で、マグカップや名刺入れなど、非アパレル商品はなかなか売れない。今後の商品戦略を考える必要がありそうである。
結局3時間弱の「出店」で、700ドル近くの売上に終わる。
初戦としては、まあこんなものか、という水準ではあるが、この金額を達成するためにチームメンバーの皆が一緒に動いたことの意義の方が大きいように思えた。
次は6月始めの卒業式にあわせたセールス。それまでにも、カスタムメードを受注したりしつつ、売上をあげていく。
まだ皆の関わり度合いにばらつきがあるが、実際の「事業活動」を進めていく中で、徐々に温まってくるだろう。
Go Team!


SloanGearの落札が決まり、本日引継ぎと正式な契約書のサイン、金銭授受のためのミーティングが開かれた。
いざその場に至ってみると、やはりそれなりに感慨深く、緊張感も覚える。
買収といっても、10人のチームで一人40万円ほどの投資額なので、まあたいしたことないといえばそれまでなのだが、公開株を証券会社で買う以外に会社を買う初めての経験であり、ちょっとミーハー心をくすぐられるというか、何か凄いことをしているような気になる。またそれ以上に、今回私の誘いを受けて集まってくれた9人の仲間たちをこれから引っ張っていくという責任感が、多少の圧力として顕在化してきたようでもある。
ただ、ママゴトのような部活動に比べれば格段に学びの多い、面白い活動になるだろうという確信は、まだ変わっていない。
ここに来てなお強くなりつつある、「自分は最終的に人の上に立てる器ではないのではないか」という疑念に屈服する前に、リーダーシップの実践練習をしてみようと思う。いろいろ悩むことは間違いないと思うが、まあ自分のカネが絡んでいると思えば、そして皆が自分の誘いに応じてカネを出してくれたという事実を心にとどめておけば、やっていけると思う。

このブログを読んでいただいている皆様でスローン・ロゴ入りアパレルのご入用の方は、是非お気軽にご一報ください。



PREV1 2 3 | NEXT
CALENDAR
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
WEATHER@MIT
PROFILE
HN:
Shintaro
性別:
男性
職業:
経営コンサルタント
趣味:
旅行、ジャズ鑑賞
自己紹介:
世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。

ご意見、ご感想は↓まで
sloangear★gmail.com
★をアットマークに書き換えてください
SEARCH
TRACK BACKS
最新記事のフィルム
OTHERS
Powered by [PR]
Templated by TABLE ENOCH