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「 Professional …松本人志のプロフェッショナル像 」
「素人に圧倒的な差をつけて力を見せつけることじゃないですかね」
NHKのテレビ番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」で、「プロフェッショナルとは」という問いに、ダウンタウンの松本人志はそう答えた。

一般にあまり知られていない所謂「その道のプロ」を含め、各界のプロフェッショナルを取り上げてその仕事ぶりや職業観に迫る同番組は、私がみたいと思う数少ないテレビ番組の一つである。今年3月に一旦終了していたが、10月に再開、その再開第一号として取り上げられたのが、松本人志であった。

こうしたドキュメンタリーで松本人志を見たことがなかったし、関西ローカルの頃から見てきた彼が何を言うか興味があったので、録画をして、番組を見た。同番組では必ず最後に、その回で特集した人物に「プロフェッショナルとは」という問いを投げかけ、彼・彼女のプロフェッショナル像を語らせて、番組を締めくくる。そこで松本の口から語られたのが、冒頭の言葉である。

番組の中身も多少冗長で、あまり面白くはなかったのだが、この松本のプロフェッショナル像には何とも言えない違和感を覚えた。それが何なのか、すぐには整理がつかなかったが、暫く考えていると、松本が「プロフェッショナル vs 素人」という対置概念から発想しているのに対して、自分は「プロフェッショナル vs 顧客」という対置概念で考えている、そういう思想の違いが違和感の正体ではないかという思いに至った。

Profession=職業と捉え、自給自足ではなく貨幣を媒介として自らの生み出す付加価値に対価を得る社会の仕組みを前提とすると、プロフェッショナルとはその付加価値を認めて対価を支払ってくれる顧客がいて初めて成り立つもの。言い換えれば、プロフェッショナルの対岸にあるものは顧客であって、素人ではない、というのが私の考え方である。一方で、プロと素人を同一線上に置いて、素人にもちえない卓越した技をもつ者をプロとする考え方は、より芸術の世界に近い。プロを玄人と訳すと尚わかりやすいか。下手な絵描きと上手い絵描き、下手な楽器奏者と上手い楽器奏者、こうした関係を素人と玄人、と捉えると、確かに松本の言うこともわかる。しかしそれは、ある意味で顧客無視の考え方に繋がりはしないか。顧客の求めているものではなく、自らの技の極みを見せられるものを追究することになりはしないか。コメディーも、顧客がいて初めて成り立つ芸である。笑う人がいないコメディーなどあり得ない。一部で期待もされた松本の映画が、結局難解で、はっきりいって面白くないものになったのも、こうした顧客そっちのけの考え方の帰結ではないか。

そんなことを思いながら、自らが携わる経営コンサルティングという仕事を含め、顧客の求めているものを提供し、顧客に対価をいただくことの難しさも、また改めて感じたりした。

ちなみに、同番組でこれまでに出演された「プロフェッショナル」の言葉のうち、私の心に残ったものをいくつか挙げておく。

「(プロフェッショナルとは)周囲に期待されていること、それから自分としてやらなければならないこと、それが満遍なくバラツキなくできること」 加藤友朗氏(移植外科医)

「(プロフェッショナルとは)自分の仕事に没頭して、更に上を目指す、今で止まるんじゃなくて、もっと上を目指すということ」 小野二郎氏(寿司職人)

「(プロフェッショナルとは)信念があって、なおかつその環境であったり、時代であったり、そういう変化に柔軟な人」 木内博一氏(農業経営者)

「(プロフェッショナルとは)課題解決のために、今までの考え方に縛られず、その時最適の方法を生み出すことが出来る人、またそのための努力を怠らない人」 牛田貢平氏(スジ職人)

「初心を忘れることなく、思いやりをもって、しっかり実践をしつつ、将来の継続進化をできていける、そういう人をプロフェッショナルというと私は思っています」 木村俊昭氏(公務員)

「(プロフェッショナルとは)どんな状況になっても全力を出し切る、出せる人」 三浦知良氏(サッカー選手)
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無題
by NONAME 2011.11.16 Wed 14:57 EDIT




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経営コンサルタント
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世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。

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