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「 Elementary school selection …小学校受験事情 」
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最近、長女の小学校受験の準備にと、柄にもなく都内の小学校の受験説明会に参加している。
これまでに私だけでも3校訪問した。
最初は何となく気恥しく、乗り気がしなかったが、実際に行ってみると、いろいろと学ぶことも多い。

まず、学校ごとの特徴・特性の違いは思った以上に存在する。立地や建物などの物理的特性もあるが、雰囲気というか、感じさせられるものが大きく異なる。教室の前に掲示された児童の絵・書道・研究発表などの作品をみても、やらせていることや、出来具合には結構な差がある。説明会のアジェンダ、校長の話し方、アピールの仕方なども、お互いに研究した結果かもしれないが、それなりに違いがある。自然とそうなるのか、説明会に参加している親の雰囲気も異なる。こういうところに娘を通わせてやりたい、と心から思わせてくれる学校もある一方で、合格しても行かせたくない、という学校もまた存在する。

また、共通して気づいたことのひとつは、英語教育をカリキュラムに取り入れている学校が多いこと。海外にキャンパスをもっている学校も少なくない。そしてその内容がもったいないほど稚拙であることも、残念ながら共通しているように思われた。そもそも、長女の受験指導をしてもらっている教室の先生によると、歴史の古い「名門」小学校の場合、彼女のようなインターナショナル幼稚園の出身者はそれだけでネガティブな見方をされることも多いらしい。本当に英語力のある子どもを育てようとされているのか、あるいはどちらかというとマーケティング上の取り組みなのか、学校によっても違うのであろうが、真意のほどはよくわからない。

いずれにせよ、親としては、子どもが学ぶ上で特色のある学校が多数あり、子どもの学力上の入学可否はあるとはいえ、進路を検討する自由度(地理的、経済的な面で)があるのは嬉しい。長引く不況で現役世代の所得格差の拡大が指摘されて久しいが、こうした所得格差、首都圏と地方の格差は、教育を通じて、次の世代に再生産されていく。そうした意味では、親として、子どもの成功を約束することは不可能であるまでも、子どもに「機会」を与えることができるのは、ありがたいことである。

一方で、選択肢が多いことからくる親の苦悩、子どもの苦悩があるのも、また事実であろう。自分が子どものころは、自宅から徒歩5分ほどのところに小学校があり、毎朝制服を着た児童が登校していくのをみて、自分もその列に加わる日がくるのだと言われていたし、何の疑問もなくその姿を想像していた。しかし今の子どもにとっては、状況はそう単純ではない。実際に今の自宅からも、徒歩圏内に小学校が2校ある。週末には校庭が開放されており、娘を連れて遊びに行ったこともある。しかしながら、そこに行く、という話はこちらからしたことがないし、子どもの側も、何となく自分はそこに行かないのだと思っているようである。幼い頭脳にはなかなか理解しにくい現実なのではないか。また親としても、自分たちが子どものころにやってきたことと違うことを娘にやらせているわけで、まったく手探りであるし、自分たちのやっていることの「正しさ」に対する確信がない。悩み、考える日々である。

いわゆる「良い学校」に行ったとしても、将来の「成功」の保証にはならない。これは経験上も確信がもてる事実である。将来への補償ではなく、子どもが将来世の中のこと、自分のことを考える年齢になったときに、考える材料が多く、考えた結果とりうるオプションが多いことが、「良い学校」に行く便益であると思っている。これを実現するためには、子どもを「良い学校」に入れるだけでなく、そういう視点から学校を選び、子どもと一緒に考え、子どもを見守ってやることが大切なのだろうと思う。

炎天下の週末、汗だくになりながら3つ目の学校見学を終え、そんなことを考えながら広尾の坂道を歩いていた。
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職業:
経営コンサルタント
趣味:
旅行、ジャズ鑑賞
自己紹介:
世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。

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