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「 The first classes of 08 Spring semester ...さすがに疲れました 」
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春学期の授業が始まった。
家庭とのバランスなどを考慮し、春学期の授業はすべて月・水・金の三日間に詰め込んで、火・木は授業を入れなかった。そのため、通常初日である昨日は私にとっては休日で、水曜日の今日が初日になったわけである。

「週休4日」にしたとはいえ、履修科目の数は取得可能単位上限いっぱいまで登録したので、授業のある日は盛りだくさんである。
時間割は単純。午前中は月・水と同じ科目が2科目ずつ、午後は月・水・金と同じ科目が3科目ずつある。つまり、月・水は一日5科目、金は3科目履修することになる。
そして今日は水曜日、5科目の日である。朝8時半から、1時間半の昼休みを挟んで、17時半まで間断なく授業が続く。さすがに長い休み明けのカラダ(脳?)には、ちょっと堪えた。帰宅後入浴・食事をすませると、2歳の娘よりもベッドに行きたかったほどである。
とはいえ、今後面白くなりそうな授業も多く、初日時点での感想であるが、履修選択としては悪くなかったと思う。

以下、簡単に各授業の特徴を記す。

1限目:Strategic Management
担当教官:Pierre Azoulay
その名のとおり、企業戦略策定・分析の基礎を学ぶ授業。教授曰く、「『どうやって価値を創出するか』『どうやって価値を収益にかえるか』を中心に学ぶ。『どうやって価値を実現するか』は別の科目に譲りたい」とのことだった。シラバスをみると、M.PorterのFive ForcesValue Chainなど、基礎的な考え方の枠組みを、ケーススタディを通じて学んでいくようである。正直言って、平生のコンサルティング業務のなかで使っている以上の革新的な視点がそれほど得られるとは思わないが、いくつか興味をひく選択科目を履修するための条件として履修が課せられているので、半ばやむを得ず登録している。
教授はフランス人で、よくしゃべる。教えようとする熱意が伝わってくるのは評価したいが、自分の思っている方向に学生の議論を強引に引っ張ろうとしたり、先に自分がしゃべってしまったりするのは、ちょっと煩わしい。ケーススタディの題材は面白そうなので、あとは彼のファシリテーション力次第だろう。

2限目:Finance Theory II
担当教官:Paul Asquith
去る秋学期に履修したFinance Theory Iに続く、金融の基礎科目の第二段で、企業金融(コーポレート・ファイナンス)について学ぶ。つまり、企業がどうやってカネを調達するか、企業がどうやって適切にカネを投資するか、企業がどうやってカネ切れにならないようにするか、を学ぶ科目である。
教授はMITの名物教授の一人で、コーポレート・ファイナンスの第一人者。教えるのも非常にうまいとの評判である(Teaching Excellence Awardというのを13回も受賞している)。何より特徴的なのは、肋骨かどこかの怪我の影響で長時間身体を起こしていることができないらしく、寝て教えることである。黒板の前に敷布団と枕が用意され、彼はそこに仰臥して教える。足が悪いわけではないので歩けるし、時々起き上がりもするが、背を伸ばして板書することなどはできない。そのくせ、「私はパワーポイントは嫌いだ」といってスライドを使わないので、代わりにTeaching Assistantに板書をさせる。非常に理路整然と話をするし、「はい、そこで段を変えて」「ここからは右の黒板に」などと細かく指示をするので、板書が混乱することはないが、それでも「床」から教えてもらうというのは、前代未聞である。布団を気にしすぎて、脱落しないようにしなければならない。教え方は講義とケーススタディがバランスよく混合されている。多少骨が折れそうだが、面白そうだ。

3限目:Marketing Management
担当教官:Michael Braun
Marketingの入門科目である。これも1限目と同様、他の科目を履修するための条件として課せられているので、履修している。
「同じSUVでも、レクサス、日産ムラーノ、シボレー、GMCなどでは、訴求している客層が違いますね」という話から始まって、大方のMarketingの授業と同様、「まあ、当たり前」という話をする。
課題として、3月12日までに、何でも良いので一社会社を決めて、顧客インタビューを含む同社のマーケティング戦略の分析と提案をまとめる、という「プロジェクト」があり、これにどれだけ労力を投入してやるかで、負荷が決まってきそうである。

4限目:Marketing Strategy
担当教官:Birger Wernerfelt
名前のとおり、1限目と3限目の中間のような授業である。
ひたすら、ケーススタディをやる。
イケア、ウォールマート、スターバックス、イートレード証券など、最新の事例を取り上げるので、それらを読むだけでも面白いだろう、と思って履修している。
デンマーク人のベテラン教授は、熱心に教えてくれる。ミクロ経済学の理論をベースにしながら、「売り方」に焦点をあてて解説を進める。体系的な理論の講座ではないので、ランダムな示唆の集合体になるかもしれないが、面白い話が聞けそうである。
ビジネススクールの学生だけでなく、学部生も履修できる講座なので、若者が多く、無邪気な、ピントのずれた発言をするのが、ちょっと面倒くさい。

5限目:Applied Macro & International Economics
担当教官:Roberto Rigobon
昨年学んだミクロ経済学に続き、マクロ経済学を学ぶ。
何度も言うようだが、経済学部出身ながら、こうしたいわゆる近代経済学は「単位が取れればいいや」的にしか勉強しなかったので、ほとんど覚えていない。どころか、今や金融や会計などに比べて、最も苦手な分野になっている。理論が形而上学的で、ピンとこないのである。
が、この授業はそんな私にぴったり(?)の、エキサイティングなものになりそうである。
すべては、ベネズエラ人の「ぷっつん」教授による。
噂には聞いていたが、文字通り、授業の冒頭から大暴れである。
既に着席している学生の席を強引に替えさせたり、放置されていた学生のネームカードを引きちぎってみたり、ある学生のコーヒーを取り上げて同郷のベネズエラ人学生に渡してみたり、横暴の限りを尽くしている。
授業の方針も明快かつ乱暴。
「発言しろ。但し、質問ではなく、簡潔で意味のある意見でないと、ポイントはつかない。そのために、予習は絶対やってこい」
「欠席はマイナス2点。どんな理由も関係ないし、第一理由なんか聞きたくない。就職活動の面接?勝手にやってくれ。マイナス2点だ。遅刻も同じ。遅れるのと欠席は同罪だ」
「教科書はあるけど、買わなくてもいい。俺が全部教えてやる。必要と感じたところだけ、図書館で借りてコピーすればいい」
「授業中は、他の人間の邪魔にならなければ、何をやってもいい。パソコンをいじってもいいし、株価をチェックしてもいいし、酒を飲んだって構わない。裸になりたければなってもいい。オマエらが授業をつまらないと感じ、他のことをし始めたなら、それはオマエらを盛り上げられなかった俺のせいだ。100%、俺が悪い」
「今後10年間は忘れない、使える理論を教えてやる。マクロ経済学を教えて17年になるが、今まで俺の授業が分からず、落ちこぼれたヤツはいない。絶対に、役に立つ。保証する」
「リスクをとれ。間違えたっていい。何かしゃべれ。どんなにバカだと思われたって、どんなに格好悪くったって、ベネズエラ人よりマシだ」
…一日の終わりには、ちょうど良い授業である。

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職業:
経営コンサルタント
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旅行、ジャズ鑑賞
自己紹介:
世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。

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