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「 Latin America trip 12 Torres del Paine ...碧い氷河 」
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 昨夜早くに寝たため、今朝早くに目が覚める。
ロッジの宿泊パッケージは3食付。朝食を済ませ、昼食用のサンドウィッチと水をもって、パイネ国立公園一日目のハイキングに出かける。この近辺最大の氷河であるグレイ氷河まで、片道11kmの道程である。
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ロッジの中にいるとわからないが、外に出るととにかく風が強い。風速計が壊れてしまいそうなほど激しく回っている。空模様も怪しい。前夜のように一雨くるかもしれない。とにかく、先を急ぐしかない。
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谷を縫って歩き、丘を越え、一時間ほどで氷河が流れ込むグレイ湖の湖畔に出る。強風で湖面に波が立っている。湖畔の岩肌にも波形が見られる。風で浸食されたのだろうか。動物はおらず、植物も窪地に行くと雑木林になるものの、風が強く表土の薄い丘の上はコケ類が中心。苛酷な自然環境である。しばらく進んでいくと、湖面に所々、氷河の切れ端が浮かんでいるのが見え始める。実に不思議な、魔力的な水色の光を放って、佇んでいる。
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更に一時間少し歩くと、湖の彼方に大氷原の端が姿を現した。やはり水色である。10年ほど前にオーストリアのアルプスで見た氷河はもっと白かったように思うが、ともかくなんとも薄気味の悪い色合いである。雲に覆われたパイネ連峰を右手にしながら、唸りをあげて駆け抜けていく強風の中で、遠くで鈍く光る氷河の水色を見つめていると、遥々ここまでよく来たなあ、という感動とともに、この世の終わりのような、なんともいえない寒々とした気持ちにも駆られる。
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そして更に一時間ほどで、氷原の端に最も近い丘に到着。氷河の欠片が、湖の淵でわだかまっている。網走でみた流氷のようでもある。ここまでくると、情景全体としてではなく、もう少しミクロに氷の様子を見ることができ、きれいだなあ、と感じる余裕も出てくる。
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氷原に近い湖畔の浜辺にはロッジがあり、キャンプ場にもなっている。身体が冷えてきたので建物の中で休もうとすると、持込の食事は禁止だという。なんとセコイ・・・。仕方なく湖畔のベンチでサンドウィッチを頬張り、再度建物に入ってホットチョコレートを注文する。通常はこのロッジから、氷河の上を歩くツアーが出ているのだが、この日は氷河に乗りつけるためのボートが故障中とかで、出ることができない。陸側から回り込んでも大して氷河に近づけそうになかったので、ここで切り上げて来た道を宿へと戻る。「一度出たら同じ道を帰ってこなきゃならんから、ハイキングは嫌いだ」とSteveが愚痴っていたが、気持ちは良くわかる。それでも、また11km歩いて午後4時半ごろに拠点のロッジに帰ってきたときには、ロッジの建物もその向こうの湖も、昨日とは随分違ってみえた。
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それにしても久しぶりに山道をこれだけ歩くとさすがに疲れた。シャワーを浴びてビールを飲むと、とたんに眠気に襲われた。昔はもうちょっと歩けたような気がするけどなあ・・・。

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職業:
経営コンサルタント
趣味:
旅行、ジャズ鑑賞
自己紹介:
世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。

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