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「 Latin America trip 10 Valparaiso ...色彩と黄昏の港町 」
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この日はAlejandro、Steveと3人で、サンティアゴの外港にあたるチリ最大の貿易港バルパライソへ。迷路のように入り組んだ急な坂道とカラフルな街並みが特徴で、その景観はユネスコの世界遺産にも登録されている。サンティアゴからの公共交通はバスが中心。大手2社が各々10分間隔で一日中運行していて、極めて便利。片道約2時間の道程を往復して10ドルほどと、良心的な価格設定も嬉しい。

午前11時前にはバルパライソのバスターミナルに到着、旧市街までタクシーで移動し、さっそく街歩きを始める。まずは港近くの魚市場へ。サンティアゴのそれに比べると小規模で雑然としているが、観光地化が進んでいない分、値段は随分と安い。市場内の食堂も、5ドルも出せばお腹いっぱいになりそう。ウサギをさばいて売っていたり、魚屋が猫をペットにかっていたりと、ちょっとした驚きもあったが、まあ許容範囲内。
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そこから坂道をぬって丘に上がる。港町神戸や長崎と同じように、バルパライソも坂の街。ペルーの高地で鍛えた「健脚」を活かして登る。それなりにきついがAlejandroが早々に音を上げていたところをみると、「高地トレーニング」の成果があったのかもしれない。
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家々は実にカラフルで、また丘をぬう街路のかたちも複雑で、歩いていて飽きない。もともとは、潮風による錆を防ぐために、船体を塗るのに使った塗料の余りを建物の壁面に塗ったのが始まりらしいが、パステルカラーで鮮やかに彩られていて、目に楽しい。多くの家は、ドア、窓枠、梁などで一色、壁面で一色の二色構成で、その組み合わせは実に多彩。決して隣家と同じ色などにはせず、皆めいめいに好みの色で飾っているのだが、全体としてみると不思議と調和がとれている。かつてマゼラン海峡を通って商船が往来していたころは、中継港として大いに繁栄したというが、パナマ運河が出来てからは専らチリの輸出入のみを預かる港町に地位が下がったらしい。そのため近くでみるとさびれた建物も多く、作りが粗末で小さな家も多いのだが、それでもどこか「遊び」があり、生活を楽しんでいるように見えてしまう。

港が見下ろせる粋なレストランで昼食をとった。それなりの値段(ワイン込みで一人40ドルほど)がしたが、Alejandroオススメだけあって、味もサービスも景色も実に良かった。ラテン風に、そこでだらだらと二時間ほど過ごす。こんなことを毎日のようにやっていたら、ナマケモノになるだろうなあ、と思う。ナマケモノといえば、チリの町にはやたらと犬が多いが、ほとんどは歩きもせずに道端に寝そべっている。全体に、だらだらした空気が流れているのかもしれない。
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食後もゆっくりと街歩き(というか丘歩き)を続けて、その後波止場で小船を借りて港巡りをする。5ドルでガイドを願い出た男の目は白く濁っていた。日光を浴びすぎたのだろう、海の男にありがちな目である。小船は港に停泊する軍艦や貨物船のそばをかすめながら、港を一周する。貨物船の舵のそばでは、アザラシがだらだらしていた。
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バスでサンティアゴに戻ったのは、午後9時頃だった。しかしまだ空は明るい。サマータイムのおかげだというが、どうも調子が狂う。地下鉄に30分ほど乗ってホテルの最寄り駅まで戻ってくると、やっと空が暗くなっていた。こうでないと、夕食を食べようという気分にならない。ホテルの近くに中華料理店があったので、入ってみた。Steveが中国語で店員に話しかけると、やはり友好的な雰囲気になる。店の主かその妻らしい中国人女性は、15年前に知人を頼って広東から出てきたとのこと。サンティアゴは街の規模の割には中国人人口がそれほど多くなく、中華街もないため、野菜や調味料などの素材の仕入れが難しいなど、苦労が多いらしい。それでもテイクアウトを中心に、それなりの頻度でお客が訪れていた。中国語にしか聞こえないようなスペイン語で従業員に指示を出しているその中国人女性をみていると、やはりこの民族はグローバルでタフだなあ、と思う。


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Shintaro
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男性
職業:
経営コンサルタント
趣味:
旅行、ジャズ鑑賞
自己紹介:
世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。

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