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「 Election in Internet Era ...様変わりする選挙戦 」
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今回の大統領選挙ほど、インターネットの存在感が大きくなった選挙はかつてないのではないか。

今日受講したSIPの特別講義の一つは、インターネット技術・Web技術に関する議論・解説だったのだが、そこで話された内容とこれまで経験したことを総合して考えると、そうした今回の選挙の特徴(あるいは宿命)を感じざるを得ない。

見てるよ
まずはYou Tubeの存在が大きい。
個人が自分の意見を映像を交えていとも簡単に世界に発信することが出来る。
そればかりか、候補者の失言や愚行、若い頃の恥ずかしいシーンまで、どんどんインターネット上にアップロードされる。テレビのニュースショーでそうした映像が取り上げられることはこれまでも珍しくなかったが、それがユーザーの手で発信され、24時間視聴可能なかたちで提供されている、というのは、大きな違いである。しかも放送倫理のような内容のチェック機能が弱いため、敵意を持って編集しようと思えばいくらでもできてしまう。予備選の間も、各候補を批判するビデオがこれでもかというほどYou Tube上に出回っていた。

バレてるよ
日本のようにわけのわからないうちに首長が決まってしまうシステムとは異なり、米国では大統領候補者の演説、討論会が頻繁に開催される。
そうした中、当然ながら各候補は史実、統計データなど、自らの主張を裏付ける「事実」に言及する。こうした「事実」について、それが本当かをチェックすることをFact Checkと呼ぶらしいが、これが演説あるいは討論の最中に、オンライン上でユーザーの自発的な書き込みによってFact Checkが行われ、話が終わる頃には「間違いリスト」が出来上がっていたりするらしい。

電話してよ!
オバマ陣営がアップル社のi-phone(携帯電話)向けに出しているソフトウェアはさらに凄い。
例えばオハイオ州で、自陣営の形勢が思わしくなかったとする。
するとi-phone内にダウンロードされたソフトウェアがそのユーザーのコンタクトリストを自動的にチェックし、オハイオ州の番号を発見して、そこに連絡して応援を依頼してくれ、というユーザーへのメッセージを表示するらしい。
ここまでくると、自分自身がインターネット経由で遠隔操作されているようで、恐ろしくなってくる。

ともあれ、善悪の判断とは別に、事実として、史上かつてないほど世界中にオープンで、有権者が参加した選挙になっているのは間違いなさそうである。

こうしたところでも、日米の差はさらに拡大しているのかもしれない。


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バラックからの手紙
by ふらうと 2008.10.28 Tue 13:04 EDIT
シンプルで基本ですが、e-mailもかなり活用していますね。
去年オバマの演説を聴きにいくため登録して以来、しょっちゅうオバマからメールがきます。内容は寄付の依頼、選挙活動支援、討論会やマケイン陣営の発言に対する反論など、様々です。きさくで率直な文体で、なかなか好感が持てます。
最初はバラックと選対委員長だけだったのが、ミシェル・オバマやジョー・バイデン副大統領候補、しまいにはテッド・ケネディ上院議員まで私とメル友になってしまいました(笑)。選挙権ないのに。
Re. バラックからの手紙
by Shintaro 2008.11.01 Sat 12:15 EDIT
ふらうとさん、ありがとうございます。
オバマからのメール、私にもしょっちゅうきます。システム処理しているのはわかりきっていても、"Shintaro, "と語りかけられると、ちょっと気になりますね。マケイン陣営の同様の情報に触れていないので、フェアな評価は出来ないかもしれませんが、オバマがe-mailで選挙資金を草の根レベルから集めているという事実は、このe-mail作戦の成功を示しているといってもいいでしょうね。
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性別:
男性
職業:
経営コンサルタント
趣味:
旅行、ジャズ鑑賞
自己紹介:
世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。

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