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「 Macro Economics ...中央銀行のあるべき姿と日銀の現実と 」
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「ぷっつん教授」Roberto Rigobonのマクロ経済学は、相変わらず「大暴れ」の授業である。
しかし分かりやすく、学んで帰るものがあるので、コメディーとしてだけでなく、知的にも面白い。
今日は、固定相場制における通貨危機発生のメカニズムを、ロールプレイで実演してみせてくれた。
生徒を三人前に立たせ、一人は外国人、一人はメキシコ中央銀行、一人はメキシコ政府、として、自分をメキシコ人消費者とする。メキシコ中央銀行は一定のドル(ここでは仮に5ドル。ロールプレイ上はオレンジの色紙5枚)を保有し、1ドル=1ペソを保証して、同額のペソ(5ペソ、あるいは水色の色紙5枚)を発行し、消費者がこれを保有する。この状態では、この消費者が国内で借金をしようが、海外から借金をしようが、国内で消費しようが、輸出入をしようが、中央銀行のドル保有高とメキシコ国内のペソ流通量はバランスしている。ところが政府が国債を発行し、中央銀行がこれを引受けて通貨を刷り、それを政府が使って流通通貨量を増やすと、ドル・ペソのバランスが崩れる、という仕組みを、これら前に立たせた生徒の間で色紙を交換しながら、実演してみせる。ちなみに、「消費」は常にサービスを買う。サービスは常に「ダンス」である。政府役の学生が消費者役のRigobonにペソを支払うと、Rigobonが踊る。ただ、Rigobonからドル紙幣を支払われた外国人役の女性生徒(ロールプレイ上は「サービスの輸入」)は踊ることを拒否、まあある程度予想された展開だろうが、Rigobonは"so sad..."と嘆いていた。

ここでのポイントは、中央銀行の役割と、その貫徹のための政府からの独立性の維持である。

つまり、固定相場制においては、中央銀行の最大の役割・関心事は、基軸通貨(ドルなど)保有高と自国通貨流通量とのバランスを維持することである。97年のアジア通貨危機の際も、香港が軽傷で済んだのは、香港中央銀行が香港ドルの流通量の95%にあたる米ドルを保有していたためである。そしてこれを維持するためには、政府が無軌道に発行する国債を、場合によっては引受け拒否しなければならない。

ここから、授業は世界の主要各国の中央銀行の特徴についての解説、議論に入る。
Rigobonの解説は非常に単純化されているし、冗談が混じるのでどこまでが本題か分からないときもあるが、概ね本質を突いている。また、今の米国連邦準備制度理事会議長のBen BernankeはMITで博士号をとったマクロ経済学者であり、Rigobonは個人的にも知っているようで、冗談にかなり現実味がある。そして、前任のGreenspanのときもそうであったように、いかに彼らが米国政府からの独立性を維持しているかが強調される。

そして我が日本は、というと、「あの国の中央銀行は政府の一部だから、全然独立してなんかいない」とバッサリであった。
確かに、政府の国債発行額にはいつも耳目が集まるが、政府が一旦発行を決めた国債が日銀に引き受けられず消化されなかった、という話は聞いたことがない。
それどころか、今の福井総裁の2代前の松下総裁までは、日銀総裁のポジションはいわゆる大蔵省出身者と日銀出身者とのタスキ掛け人事。前任の速水総裁から続いて大蔵省以外から選出され、タスキ掛け人事終焉の象徴とさえされた福井総裁でさえ、銀行のMOF担から財務省のお歴々とともにノーパンしゃぶしゃぶ漬けになっている(彼が某有名ノーパンしゃぶしゃぶ店の会員であったことは有名な話)。
そして、そんな世界の失笑をよそに、今度はまた大蔵出身の武藤氏が総裁になろうとしている。
これでは、円、あるいは日本経済に対する信用など、あったものではない。

本当に、ビジネススクールで日本が取り上げられるのは、悪い例としてばかりである。
情けない・・・。

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世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。

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