ニューハンプシャー州の予備選が行われた。
3日のアイオワ州、5日のワイオミング州に続く3戦目である(アイオワとワイオミングは党員集会、ニューハンプシャーは予備選なので、予備選としては最初になるが)。
民主党はアイオワ勝利の勢いにのるObama氏をClinton氏が得票率3%の接戦で制し、初勝利。
共和党はMcCain氏がRomney氏を同じく5%差で破って初勝利を上げた。
"Chuck Norris Approved"のHuckabee氏は11%の得票にとどまり、ニューハンプシャー州民の「良識」を感じさせたが、それにしても我らがRomney氏は今回も二位止まりと、ワイオミング州での勝利にも関わらず、イマイチ決め手を欠いている。
Mitt Romney。
1947年生まれの60歳。
父親はミシガン州知事George Romney。
モルモン教徒。5人の子持ち。
ハーバード大学のビジネススクールとロースクールのジョイント・プログラムを、双方とも優等で修了。
卒業後、1978年にコンサルティング・ファームのBain & Companyに入社し、数年でパートナーに昇進。
1984年にはプライベート・エクイティ・ファンドのBain Capitalを仲間と設立し、共同経営者として散々儲ける(個人資産は200億円超ともいわれている)。
その後1990年には、当時経営危機に陥っていたBain & Companyに社長として戻り、1年で再建。
2002年のソルトレイクシティ冬季五輪の組織委員会会長を務め、同年からマサチューセッツ州の知事に就任、財政再建を実現・・・。
と、経歴の華々しさ、特にビジネス経験の豊かさは、他の有力候補を凌駕していると思われる。
が、そうした彼の経歴や話しぶりが、逆に一部の層の反感を強く買うらしい。
例えば、彼が共和党ディベイトなどで発言するときには、よく
「それについては、言いたいことが3つある。1つは・・・」
というような言い方をする。いかにも元コンサルタントらしい話し方で、個人的には喝采を送りたくなる。
他にも、ディベイトや演説の中でやたらと数字を出してきたり、パワーポイントのスライドを使って演説をしたりと、コンサルタントっぽいところは枚挙に暇がない。
マサチューセッツ州知事時代の実績ともあいまって、これが一部の有権者には強く支持される。
しかし、他方では、彼の学歴・経歴と言動を重ねて、エリート主義者だの、ガリ勉だの、偽善者だの、好き勝手に批判されている。
実際に勉強はガリガリやっていただろうし、ビジネスの世界ではエリートコースを歩んでいるので、必ずしも否定できないのだが、とにかくこの手の人物は、万人ウケしないようである。
そんなRomney氏、今後どこまで票を伸ばすことができるのだろうか。
何となく自分のキャリアを問われているような気すらして、目が離せない。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。
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