「 Latin America trip 6 Easter Island 1 ...絶海の孤島へ 」
昨日1月10日はただひたすら移動。クスコからリマ経由でチリの首都サンティアゴに入る。チリ人スローン生のAlejandroに紹介してもらったホテルは空港から車で30分ほど走った新市街にある。そこで一泊し、今朝また空港に逆戻り、イースター島行きの飛行機に乗った。再び戻ってくる予定の同ホテルに大半の荷物を残し、身軽な格好でイースター島に迎えたというメリットはあるものの、それだけのために空港-新市街間を往復するのはあまり賢明な選択ではなかったと多少後悔。空港ビル正面に建つ真新しいホリディ・イン・ホテルがその思いを強くした。
ともかく、飛行機は予定通りに離陸し、一路島を目指す。一日一便しかないとはいえ、機体はリマ-サンティアゴ間のそれよりも大きく、新しく、そして混雑している。サンティアゴ-イースター島間の片道6時間のフライトは、LAN航空が独占するプレミアム路線。運賃は、例えばサンティアゴ-ボストン間のそれよりも高い。それがほぼ満員で運行されているのだから、まさにドル箱だろう。Steveは「LANって公開企業かな、株買いたいな」と真剣に呟いていた。
やがて飛行機は着陸体勢に入ったが、窓外には何も見えてこない。島が小さすぎ、また絶海の孤島であるために、いつまでたっても海しかみえないのだろう。そう思っていると、突然陸地が見えた。断崖に囲まれて、いくつかの丘が連なっている。陽気なラテン系の乗客は大興奮。皆それほどまでモアイが見たかったのか。機体は一度島を過ぎ、旋回して着陸した。地上に降り立つと、強い日差しと海洋性の粘着質な空気が身体にまとわりつく。
平屋の空港ビルを出て暫く待っていると、パティという宿の女性(オーナー?)が迎えに来てくれた。花の首飾りをもらって、トヨタのワゴン車に乗り、宿に向かう。空港から宿までは車で10分ほどの距離。途中、村の「メインストリート」を通る。店が10件ほどあっただろうか。「ここにくれば何でもそろう」とパティが話してくれたが、要するにここしか店がないのだろう。
イースター島は、島民の産業保護のために、島に籍をおかない個人・法人が島に投資することを禁じている。そのため、南の島に必ずと言っていいほどある米系のホテル・グループは立ち入ることができず、宿泊施設は島民の営む民宿か、それに毛のはえたような地元資本のホテルしかない。我々の宿は島に一つしかない村の北外れにある民宿。
歩いて5分程のところに、モアイが並ぶタハイ遺跡がある。チェックイン後、ここを訪れて初めてモアイ像と対面。アフと呼ばれる祭壇の上に5体のモアイ像が海を背にして並び、丘を眺めて立っている。
「それだけ」といえばそれだけである。もっとも、遺跡なんて「それだけ」と言ってしまえばすべてそうだし、例えばマチュピチュも山の上に石で作られた町の跡が残っている「だけ」なのだが、それにしてもこのときは、自分でもがっかりするほど、感動が沸いてこなかった。5体並んだモアイ像の周辺には、少し離れてデザインの異なるモアイ像が2体立っているが、それらをあわせても、見て写真を撮って立ち去るだけなら10分とかからない。多少拍子抜けした気分である。
その後、宿で車を借りて、島の西半分を周る。村から内陸に入った丘の上に、海を向いて並ぶ7体のモアイ像が立っている。
イースター島に初めてやってきた7人の人間(=全島民の祖先)を象徴しているのだとか。島に1,000体近く残るモアイ像のうち、海に向かって立っているのはここだけらしい。これは、通常モアイが海沿いに建設されたアフ(祭壇)を守るために島民の側(つまり内陸側)に向かって立てられたのに対し、ここのモアイのみは島全体を外敵から守るために、島の外(つまり海側)に向かって立っているのだという。潮風に浸蝕された度合いが少ない分、手の造形などがよく保存されている。まあでも、向きが違うだけで要するにモアイでしょ、と言われてしまえば、おっしゃるとおり。ちなみにここのモアイがたつアフの背後で、人骨が多数見つかり、モアイの謎を解く有力な手がかりと注目されたが、イギリス人が運び去ってしまい、今はすべて大英博物館に保管されているらしい。恐るべし、イギリス人。
更に車を走らせると、また海を背にポツンと立つモアイ像を発見。試しにモアイの背後に回りこんで、モアイと同じ角度で丘を眺めてみる。背後に波の音や潮風を受けながら、ずっと丘やそこに暮らす人々を眺めているのは、どんな気分だろうか。
半日島を周って20体ほどのモアイを見ると、少し飽きてくる。感動レベルも相変わらず低い。しかし夕方(と言っても夜9時頃だが)、最初のモアイ(タハイ遺跡)に戻って、モアイ群とその背後に沈んでいく太陽を眺めていると、静かな感動が湧き上がってきた。マチュピチュで得た感動とはまた違う、切ないような、なんともいえない感傷だったように思う。
明日、もう一日島を巡る。
ともかく、飛行機は予定通りに離陸し、一路島を目指す。一日一便しかないとはいえ、機体はリマ-サンティアゴ間のそれよりも大きく、新しく、そして混雑している。サンティアゴ-イースター島間の片道6時間のフライトは、LAN航空が独占するプレミアム路線。運賃は、例えばサンティアゴ-ボストン間のそれよりも高い。それがほぼ満員で運行されているのだから、まさにドル箱だろう。Steveは「LANって公開企業かな、株買いたいな」と真剣に呟いていた。
やがて飛行機は着陸体勢に入ったが、窓外には何も見えてこない。島が小さすぎ、また絶海の孤島であるために、いつまでたっても海しかみえないのだろう。そう思っていると、突然陸地が見えた。断崖に囲まれて、いくつかの丘が連なっている。陽気なラテン系の乗客は大興奮。皆それほどまでモアイが見たかったのか。機体は一度島を過ぎ、旋回して着陸した。地上に降り立つと、強い日差しと海洋性の粘着質な空気が身体にまとわりつく。
平屋の空港ビルを出て暫く待っていると、パティという宿の女性(オーナー?)が迎えに来てくれた。花の首飾りをもらって、トヨタのワゴン車に乗り、宿に向かう。空港から宿までは車で10分ほどの距離。途中、村の「メインストリート」を通る。店が10件ほどあっただろうか。「ここにくれば何でもそろう」とパティが話してくれたが、要するにここしか店がないのだろう。
イースター島は、島民の産業保護のために、島に籍をおかない個人・法人が島に投資することを禁じている。そのため、南の島に必ずと言っていいほどある米系のホテル・グループは立ち入ることができず、宿泊施設は島民の営む民宿か、それに毛のはえたような地元資本のホテルしかない。我々の宿は島に一つしかない村の北外れにある民宿。
歩いて5分程のところに、モアイが並ぶタハイ遺跡がある。チェックイン後、ここを訪れて初めてモアイ像と対面。アフと呼ばれる祭壇の上に5体のモアイ像が海を背にして並び、丘を眺めて立っている。
「それだけ」といえばそれだけである。もっとも、遺跡なんて「それだけ」と言ってしまえばすべてそうだし、例えばマチュピチュも山の上に石で作られた町の跡が残っている「だけ」なのだが、それにしてもこのときは、自分でもがっかりするほど、感動が沸いてこなかった。5体並んだモアイ像の周辺には、少し離れてデザインの異なるモアイ像が2体立っているが、それらをあわせても、見て写真を撮って立ち去るだけなら10分とかからない。多少拍子抜けした気分である。
その後、宿で車を借りて、島の西半分を周る。村から内陸に入った丘の上に、海を向いて並ぶ7体のモアイ像が立っている。
イースター島に初めてやってきた7人の人間(=全島民の祖先)を象徴しているのだとか。島に1,000体近く残るモアイ像のうち、海に向かって立っているのはここだけらしい。これは、通常モアイが海沿いに建設されたアフ(祭壇)を守るために島民の側(つまり内陸側)に向かって立てられたのに対し、ここのモアイのみは島全体を外敵から守るために、島の外(つまり海側)に向かって立っているのだという。潮風に浸蝕された度合いが少ない分、手の造形などがよく保存されている。まあでも、向きが違うだけで要するにモアイでしょ、と言われてしまえば、おっしゃるとおり。ちなみにここのモアイがたつアフの背後で、人骨が多数見つかり、モアイの謎を解く有力な手がかりと注目されたが、イギリス人が運び去ってしまい、今はすべて大英博物館に保管されているらしい。恐るべし、イギリス人。
更に車を走らせると、また海を背にポツンと立つモアイ像を発見。試しにモアイの背後に回りこんで、モアイと同じ角度で丘を眺めてみる。背後に波の音や潮風を受けながら、ずっと丘やそこに暮らす人々を眺めているのは、どんな気分だろうか。
半日島を周って20体ほどのモアイを見ると、少し飽きてくる。感動レベルも相変わらず低い。しかし夕方(と言っても夜9時頃だが)、最初のモアイ(タハイ遺跡)に戻って、モアイ群とその背後に沈んでいく太陽を眺めていると、静かな感動が湧き上がってきた。マチュピチュで得た感動とはまた違う、切ないような、なんともいえない感傷だったように思う。
明日、もう一日島を巡る。
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男性
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経営コンサルタント
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世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。
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