「 Ron Fisher …ソフトバンク取締役を兼ねるベテラン投資家 」
4月から、CEO Perspective(CEOの考え方)という授業をとっている。
毎回米国の会社のCEO(もしくはそれに準ずる立場の人)がゲストとして招かれ、彼・彼女が実際に乗り切った 困難な一局面を例に取りながら、CEOがどういう物の考え方で会社を経営すべきかを語る、という授業である。ファイナンスやオペレーションの授業のように、具体的な個別スキルを学べるわけではもちろんないが、その立場に立ってみないと分からない困難や視点、考え方を追体験できることができるので、非常に面白い。
第8回目の今日は、Ron Fisherという人物が招かれた。
ソフトバンクの米国法人Softbank Holdings及びSoftbank Capitalの代表を務める人物で、ソフトバンク本体の取締役も兼ねている。ソフトバンクの外国人取締役というと、一時期話題になったアリババ・ドットコムの馬社長も顔を連ねているが、Fisher氏がソフトバンクに参画したのは10年以上前の1995年、取締役になったのは1997年で、ソフトバンクが東証一部に上場するより前の話である。どんな人物なのか、非常に興味をもっていたが、教室に現れたのは小柄な白髪紳士だった。なぜソフトバンクに参画したのか、どのようにして孫氏とであったのか、そのあたりの経緯は授業の本旨ではないこともあって多く語られなかったが、彼の投資哲学を聞いていると、なぜ日本の会社で取締役を10年以上務め、なぜ孫氏が彼をそばに置きたかったかが、何となくわかるような気がした。
まず、彼の投資スタイルのベースには、所謂アングロ・サクソン型の合理主義が貫かれている。例えば、
一方で、どこか日本的というか、定性的かつ長期的な視点も併せもっているようであった。例えば、
日本を代表するベンチャー企業として国内外での事業拡大を考えるにあたって、このような明確な視点と洞察力をもった人物が同じチームにいてくれたら、確かに大きな助けになっただろう。
そこでふと、MBA課程を通じて親しくなった友人たちを思い浮かべてみると、自分にとって将来こういう存在になってくれる可能性のある顔ぶれがいることに気がついた(先方がどう思っているかは別にして)。実際に彼らとの関係が今度どうなるかは全く分からないが、留学で得た大きな財産の一つである。
毎回米国の会社のCEO(もしくはそれに準ずる立場の人)がゲストとして招かれ、彼・彼女が実際に乗り切った 困難な一局面を例に取りながら、CEOがどういう物の考え方で会社を経営すべきかを語る、という授業である。ファイナンスやオペレーションの授業のように、具体的な個別スキルを学べるわけではもちろんないが、その立場に立ってみないと分からない困難や視点、考え方を追体験できることができるので、非常に面白い。
第8回目の今日は、Ron Fisherという人物が招かれた。
ソフトバンクの米国法人Softbank Holdings及びSoftbank Capitalの代表を務める人物で、ソフトバンク本体の取締役も兼ねている。ソフトバンクの外国人取締役というと、一時期話題になったアリババ・ドットコムの馬社長も顔を連ねているが、Fisher氏がソフトバンクに参画したのは10年以上前の1995年、取締役になったのは1997年で、ソフトバンクが東証一部に上場するより前の話である。どんな人物なのか、非常に興味をもっていたが、教室に現れたのは小柄な白髪紳士だった。なぜソフトバンクに参画したのか、どのようにして孫氏とであったのか、そのあたりの経緯は授業の本旨ではないこともあって多く語られなかったが、彼の投資哲学を聞いていると、なぜ日本の会社で取締役を10年以上務め、なぜ孫氏が彼をそばに置きたかったかが、何となくわかるような気がした。
まず、彼の投資スタイルのベースには、所謂アングロ・サクソン型の合理主義が貫かれている。例えば、
- 新しい投資機会は、既存の投資案件より往々にして魅力的に見える。新しい案件に投資することが自己目的化してはいけない。
- 投資先の会社が困難に陥ったとき、存続させるべきか倒産させるか、あるいは売り払うか、その判断においては情に流されず、今仮にその会社に投資していなかったとして、今から新規にその会社に投資しようと思うか、で決めるべき。過去に注ぎ込んだカネ、努力、時間、そこから醸成された思い入れなどは、難しいがすべて捨てなければならない
- 戦略投資と純投資は峻別しなければならない。例えばSoftbank Capitalの場合、ソフトバンク・グループの既存事業とのシナジーなどを当て込んで投資することはしない。またソフトバンク本社はSoftbank Capitalの一出資者に過ぎず、ファンドの運営にクチを出すことはできないようになっている
一方で、どこか日本的というか、定性的かつ長期的な視点も併せもっているようであった。例えば、
- 会社が危機を取り超えられるかどうかは、CEOが本当にコミットしているか、に大きく左右される。知的財産とか技術力とか、そういったものはすぐ陳腐化するが、トップの能力、考え方、気持ちが困難を乗り切るに足るものであれば、生き残れる
- 小手先の投資戦術を考えるのではなく、現在の社会・経済環境にとって、その会社の製品・サービスが本質的に必要とされているか、これから先も必要とされ続けるか、を考えるべき
日本を代表するベンチャー企業として国内外での事業拡大を考えるにあたって、このような明確な視点と洞察力をもった人物が同じチームにいてくれたら、確かに大きな助けになっただろう。
そこでふと、MBA課程を通じて親しくなった友人たちを思い浮かべてみると、自分にとって将来こういう存在になってくれる可能性のある顔ぶれがいることに気がついた(先方がどう思っているかは別にして)。実際に彼らとの関係が今度どうなるかは全く分からないが、留学で得た大きな財産の一つである。
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世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。
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