「 SloanGear Info Session …会社売ります 」
このブログでも何度か触れている学生企業SloanGearも、昨年5月1日に営業を開始してから10ヶ月余りが経過した。あと1ヶ月ほどで次の代のオーナーをみつけて会社を売却し、引き継がねばならない。昨年、仲間10人で総額35,000ドルほどを投資して買ったこの会社、その後の営業利益(期末に配当として10人で山分けする)でほぼ投資元本回収の目処はついたが、会社が売れなければその投資元本回収だけで終わってしまう上、10年以上続いてきたこのユニークな経営実践訓練の場が失われてしまうので、次のオーナーチームを発掘・育成することは現在最も重要な課題である。具体的には、この会社に興味をもつ1年生をできるだけ多く見つけ、チームを作ってもらって、翌月初旬までに買収提案をまとめて提出してくれるように誘導しなければならない。そこでこの3月に2回に分けて、会社の内容や投資・引継ぎの手順を現一年生に説明する説明会を開催した。去る5日に一回目を開催し、今日はその二回目。
説明会では、会社の概要や、投資の手順に加えて、新チームの事業機会や、今年1年の業況を紹介した。特に今年1年の業況を振り返ることは、自分たち自身の振り返りという意味でも、良い総括の機会となったと思う。
次の代に誇れる(というほど大げさなものでもないが、一応)成果としてアピールしたのは、次の5点。
①不況下でのバランスの取れた高成長
特に昨年後半から悪化した経済情勢と、それに伴うMBA学生の予算緊縮化にも関わらず、2月末時点で対前年同時期比売上22%増を達成。利益率は多少悪化したが、それでも利益額では昨年を十分に上回っている。また特定の部門に依存した成長ではなく、企画生産、受注生産など、全ての部門で昨年を上回った。
②事業インフラの強化
我々が事業継承した段階で既にパートナーシップが確立されていたTumiに加えて、Tiffanyともギフト商品の販売代理店契約を締結。
また遠隔地(といっても米国内だが)に住む卒業生向けに、製造・物流を委託化したオンラインショップを開設。
徐々にではあるが、収益に貢献している。
③製品ラインナップの改善
先代まではアパレル製品、とりわけ一部のジャケットに売上が極端に集中していた事実を踏まえ、パンツや子供用品、非アパレル製品などに商品を展開、より網羅的な商品群に育て上げるとともにバランスのとれた収益構造も実現。
④運営ノウハウの強化・確立
ミーティングやセールスを定例化し、サプライヤーとの交渉などのプロセスを標準化。
チームの組織上の役割・権限区分も明確化。
⑤ブランド認知度向上
スローンやMITの校内新聞、卒業生向けのニュースレターなどに記事をよせて、認知度を向上
こうしてみてくると、我ながら悪くない成果をあげてきたように思える(まあ良い点ばかり挙げているからだが)。チームの皆の努力の賜物である。
が、一方で、こうして総括していると、もう少し上手くできたのではないか、という点も、ハード面、ソフト面ともに思い出されてくる。特に最後まで(まだ最後ではないが)答えが見つかっていないのが、当初からあったチームメンバー内のコミットメント度合いのバラつきをどう底上げし、全体としてモチベーションの高いチームにしていくか、という点。そしてこれを達成するために、どう自分がチームを盛り上げていくか、という点については、いろいろ考え、試してみても、上手く行かなかった気がする。チームへの期待値が高すぎるのかもしれないが、できていないことばかりが目に付いて、できたことを讃えて力にしていく努力と工夫が足りなかったように思う。この部分は2年間の留学期間中に鍛えたいと思っていたスキルの最重要項目の一つなのだが、やはり生来ヒトを褒めるのが下手なのが、なかなか改善されない。毎週のチームミーティングなどでも、雰囲気が悪いなあと思うことはあるのだが、手が打てない。そういう意味では、あまり学べていないなあ、と思ったりする。
ともかく、そんなSloanGearもあと1ヶ月あまり。何とか有終の美にもっていけるようにしたいものである。
説明会では、会社の概要や、投資の手順に加えて、新チームの事業機会や、今年1年の業況を紹介した。特に今年1年の業況を振り返ることは、自分たち自身の振り返りという意味でも、良い総括の機会となったと思う。
次の代に誇れる(というほど大げさなものでもないが、一応)成果としてアピールしたのは、次の5点。
①不況下でのバランスの取れた高成長
特に昨年後半から悪化した経済情勢と、それに伴うMBA学生の予算緊縮化にも関わらず、2月末時点で対前年同時期比売上22%増を達成。利益率は多少悪化したが、それでも利益額では昨年を十分に上回っている。また特定の部門に依存した成長ではなく、企画生産、受注生産など、全ての部門で昨年を上回った。
②事業インフラの強化
我々が事業継承した段階で既にパートナーシップが確立されていたTumiに加えて、Tiffanyともギフト商品の販売代理店契約を締結。
また遠隔地(といっても米国内だが)に住む卒業生向けに、製造・物流を委託化したオンラインショップを開設。
徐々にではあるが、収益に貢献している。
③製品ラインナップの改善
先代まではアパレル製品、とりわけ一部のジャケットに売上が極端に集中していた事実を踏まえ、パンツや子供用品、非アパレル製品などに商品を展開、より網羅的な商品群に育て上げるとともにバランスのとれた収益構造も実現。
④運営ノウハウの強化・確立
ミーティングやセールスを定例化し、サプライヤーとの交渉などのプロセスを標準化。
チームの組織上の役割・権限区分も明確化。
⑤ブランド認知度向上
スローンやMITの校内新聞、卒業生向けのニュースレターなどに記事をよせて、認知度を向上
こうしてみてくると、我ながら悪くない成果をあげてきたように思える(まあ良い点ばかり挙げているからだが)。チームの皆の努力の賜物である。
が、一方で、こうして総括していると、もう少し上手くできたのではないか、という点も、ハード面、ソフト面ともに思い出されてくる。特に最後まで(まだ最後ではないが)答えが見つかっていないのが、当初からあったチームメンバー内のコミットメント度合いのバラつきをどう底上げし、全体としてモチベーションの高いチームにしていくか、という点。そしてこれを達成するために、どう自分がチームを盛り上げていくか、という点については、いろいろ考え、試してみても、上手く行かなかった気がする。チームへの期待値が高すぎるのかもしれないが、できていないことばかりが目に付いて、できたことを讃えて力にしていく努力と工夫が足りなかったように思う。この部分は2年間の留学期間中に鍛えたいと思っていたスキルの最重要項目の一つなのだが、やはり生来ヒトを褒めるのが下手なのが、なかなか改善されない。毎週のチームミーティングなどでも、雰囲気が悪いなあと思うことはあるのだが、手が打てない。そういう意味では、あまり学べていないなあ、と思ったりする。
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Shintaro
性別:
男性
職業:
経営コンサルタント
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世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。
ご意見、ご感想は↓まで
sloangear★gmail.com
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