Boston Career Forumが始まった。
日英バイリンガルを対象にした世界最大の就職フェアで、200社近い企業が参加、昨年は開催された3日間で延べ1万人を越える学生(学部生から博士課程の大学院生まで)が参加した。
全米各地は勿論のこと、欧州や、逆にはるばる日本から来る学生までいるらしい。
私の所属するコンサルティング会社の日本支社が今年初めて参加することになったので、「現地スタッフ」として私も出動し、いくつかの面接を受けもった。
朝、会場であるBack Bay地区のHynes Convention Centerに出向くと、会場周辺の風景が明らかに普段と違う。リクルートスーツを身にまとった日本人学生があふれかえっており、また企業関係者と思われる人間も屯していて、そこだけ日本に占領されたようである。学生の中には、ざっと見て1-2割、日本人でない人も含まれているが(イベントの趣旨上、日本語と英語が話せれば国籍は関係ない)、彼らまで服装は日本風の就職活動スタイルで、日本人にみえる。
一日を通じて印象に残ったのは、まず海外で学ぶ日本人学生の多さ。
失礼ながら聞いたことのない学校も含めて、非常に多様な先に、驚くほど沢山の日本人学生がいる。
また中には、人生の大半を英語圏で過ごしてきた日本人学生も少なくなく、日本語よりも自由に英語を操る。面接も、むしろ英語で行った方がスムーズに行く。そういう人について、無邪気に格好良いと思っていたが、実際はなかなか苦労されている。つまり、彼らの日本語は、日本語の達者な外国人の話す日本語よりも、当然ながら多くの場合流暢なのだが、日本人だ、という先入観でみるためか、こちらが感じる違和感は日本語の達者な外国人に対するよりも強い。こうなると、コミュニケーションが重要な職種では、なかなか道が開かれない。非常に気の毒である。
そんなことを感じていると、夕刻、予想もしない事態が発生した。
突然の小火騒ぎで会場に消防隊が現れ、全館退去命令が下されたのだ。
そのとき私は面接中だったが、とにかく出ましょう、ということで会場を離れた。今日中に再度会場に入れるようになる保障はなく、むしろ状況をみているとその可能性は極めて低そうである。幸い、我々は、徒歩10分ほどのところにボストンオフィスがあるので、そこに退避したが、多くの日本企業はボストンに支社があるわけでもなく、周辺は路頭に迷った日本人(企業側も学生も)で溢れかえった。会場からは、1kmほど先のBack Bay駅まで、建物を渡り廊下でつなぐかたちでショッピングアーケードが続いているのだが、寒かったこともあり、これら溢れ出た日本人のほとんどはこのアーケードに雪崩込んだようだ。カフェはもちろん、廊下に置かれたベンチやちょっとした物陰まで、辺りはすべて日本人に占拠され、中にはその場で面接を始める会社もあり(皆、真面目で、必死なのだ)、異様な光景となっていた。
結局大きく中断された面接は19時前後まで続き、疲労困憊したが(応募者の学生もだろう)、いろいろな側面でなかなか貴重な体験をさせていただいた。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。
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