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在る偏屈者による半年遅れのMBA留学日記、そして帰国後に思うこと
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先月29日に続き、Sales Club主催のSales Training第二回目を受講した。
前回は、いわば「ツカミ」であったため、内容は参加者のウォームアップやキャッチーな文句の投げかけ、あるいは「やってはいけないこと」のランダムな紹介などで、2時間のトレーニングを通じてのテーマが弱かった。そのため、全体に面白かった反面、「今度も参加してみよう」というのを上回るTakeawayはあまり得られなかった。しかし今回はまったく面識のない顧客をこちらに振り向かせるためのコミュニケーションの仕方を電子メール、電話など媒体別に考えるというもので、多分に日本では使いにくいテクニックもあるものの、考えさせられることも多い、より実用的な内容であった。

以下、要点だけまとめておく。

  • e-mail vs 電話
    • 最初の連絡の手段としてはe-mailにはいろいろな利点がある
      • 大勢に一度に送付できる
      • こちらの連絡先を確実に残せる。返信も容易
      • 考えて、整理した(構造化した)メッセージを伝えられる
      • 相手が都合の良いときに読める(相手にとって鬱陶しくない)
    • しかし、そうはいってもやはり電話の方が良いことが多い
      • Sales is all about inspiring urgency  ...電話はその場で反応をみ、説得できる
      • e-mailは返信しやすいが、削除もしやすい
      • コミュニケーションの92%は言葉以外の要素(ジェスチャー、声の調子など)からなる。e-mailはこれをまるまる喪失している
      • 信頼や人間関係をe-mailで築くことはできない
      • e-mailは話のトーンを勝手に想像されてしまう
      • Higher level people prefer phones, operational guys prefer e-mails
      • Most of us don’t know what to say in the first 10 seconds
  • e-mailを選ぶ場合には、良い営業メールの条件がある
    • まずは自分ではなく、相手について語ること
      • 「お前は誰だ」と聞かれても、例えば「貴方の売上を倍増させる人間です」のように、相手にとってどういう存在かを語ること。名前などは二の次。「名を名乗れ」といわれればむしろしめたもの
      • 相手の発言や文章の引用は、相手のエゴにアピールすることができる
    • 終わりはopen endであること
      • Yes/ Noで答えられる質問をClose endという。これは相手にとって非常にNoといいやすい
      • これに対し、Open end(who, what, where, why, howで始まる疑問文)はより双方向的で、新しい発展に繋がりやすい
        • Takes longer than Yes or No for answer
        •  “Who do you recommend to talk with?”
        •  “What is the best way to reach live this week?”
        •  “Where would I learn more about your company?”
        •  “Why” is just to keep conversation continued
        •  “How” is more about specific question
  • 効果的な飛び込み電話(cold call)についても、類似のことがいえる
    • First sentence is never about ME but about YOU/ THEM
      … e.g. source of referral. Internal referral is twice as valuable as the external referral, because of the higher sense of obligation
    • For the first time, keep conversation brief (no longer than 3 sentences first). Target is not to be hated in the first 5-10 seconds
    • Mention your name & company at the very moment when they feel curious and don’t feel annoying

言われてみればそうかもしれない、と思える内容が多いが、ここまで徹底してトライしようとしたことはなかった。最初に名を名乗らない、などのテクニックは日本で実践するのはちょっと危険な気もするが、多くは日本でも通用する考え方だと思う。
是非、試してみたい。

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Boston Career Forumが始まった。

日英バイリンガルを対象にした世界最大の就職フェアで、200社近い企業が参加、昨年は開催された3日間で延べ1万人を越える学生(学部生から博士課程の大学院生まで)が参加した。
全米各地は勿論のこと、欧州や、逆にはるばる日本から来る学生までいるらしい。

私の所属するコンサルティング会社の日本支社が今年初めて参加することになったので、「現地スタッフ」として私も出動し、いくつかの面接を受けもった。

朝、会場であるBack Bay地区のHynes Convention Centerに出向くと、会場周辺の風景が明らかに普段と違う。リクルートスーツを身にまとった日本人学生があふれかえっており、また企業関係者と思われる人間も屯していて、そこだけ日本に占領されたようである。学生の中には、ざっと見て1-2割、日本人でない人も含まれているが(イベントの趣旨上、日本語と英語が話せれば国籍は関係ない)、彼らまで服装は日本風の就職活動スタイルで、日本人にみえる。

一日を通じて印象に残ったのは、まず海外で学ぶ日本人学生の多さ。
失礼ながら聞いたことのない学校も含めて、非常に多様な先に、驚くほど沢山の日本人学生がいる。

また中には、人生の大半を英語圏で過ごしてきた日本人学生も少なくなく、日本語よりも自由に英語を操る。面接も、むしろ英語で行った方がスムーズに行く。そういう人について、無邪気に格好良いと思っていたが、実際はなかなか苦労されている。つまり、彼らの日本語は、日本語の達者な外国人の話す日本語よりも、当然ながら多くの場合流暢なのだが、日本人だ、という先入観でみるためか、こちらが感じる違和感は日本語の達者な外国人に対するよりも強い。こうなると、コミュニケーションが重要な職種では、なかなか道が開かれない。非常に気の毒である。

そんなことを感じていると、夕刻、予想もしない事態が発生した。
突然の小火騒ぎで会場に消防隊が現れ、全館退去命令が下されたのだ。
そのとき私は面接中だったが、とにかく出ましょう、ということで会場を離れた。今日中に再度会場に入れるようになる保障はなく、むしろ状況をみているとその可能性は極めて低そうである。幸い、我々は、徒歩10分ほどのところにボストンオフィスがあるので、そこに退避したが、多くの日本企業はボストンに支社があるわけでもなく、周辺は路頭に迷った日本人(企業側も学生も)で溢れかえった。会場からは、1kmほど先のBack Bay駅まで、建物を渡り廊下でつなぐかたちでショッピングアーケードが続いているのだが、寒かったこともあり、これら溢れ出た日本人のほとんどはこのアーケードに雪崩込んだようだ。カフェはもちろん、廊下に置かれたベンチやちょっとした物陰まで、辺りはすべて日本人に占拠され、中にはその場で面接を始める会社もあり(皆、真面目で、必死なのだ)、異様な光景となっていた。

結局大きく中断された面接は19時前後まで続き、疲労困憊したが(応募者の学生もだろう)、いろいろな側面でなかなか貴重な体験をさせていただいた。



娘が、突然39度を越える高熱を出した。
普段あまり焦ったり、何かを真剣に心配したりしない方だが、こればかりは焦ったし、心配で震えそうになった。幸い、大事に至らずにすんだが。

昨日午後、授業が終わり図書館で勉強していると、突然妻から電話が入った。
もうすぐ2歳になる娘がぐったりしているので熱を測ってみたら、39度近くあるという。
慌てて荷物をまとめ、自転車をとばして自宅に帰ってみると、確かに彼女は虚ろな表情で妻に寄り掛かっていた。MIT Medical(大学附属の病院)小児科の診療時間ぎりぎりだったが、電話をしたら救急でみてやるからすぐにつれて来い、とのこと。さっそく車のキーをとり、家族で病院に向かう。

病院につくと、若干の待ち時間で診察してくれた。
熱を測り、脈をとり、血中酸素?を測る。高熱で弱っている以外は今のところ問題がないが、このまま39度以上の高熱が続くと消化器系を初めとして影響が出てくる恐れがあるとのことで、解熱のための薬を与える。液状の薬を口からスポイトで投与。嫌がって、ほとんど吐いてしまったが、多少は摂取できたか。

投与したのと同じ薬をもらって帰宅。依然としてぐったりしているが、薬を投与しながら様子を見るしかない。
暫くは39度の熱が続いていたが、夜中になると熱は下がり始めた。
そして朝、熱は37度台にまで下がり、娘の顔にも生気が戻る。

大事に至らずに何よりだったが、帰宅して娘の表情をみたときは、涙が出そうだった。虚ろな目で、うっすらと笑みを浮かべていたのだ。まるで、心配しないでいいよ、と気丈に言っているように・・・。これまでたいした病気もしたことがなかったこともあり、本当に焦った。
今度このようなことがあれば、もう少し落ち着いていられるだろうが、望むらくは、もう二度とこんなことがなければと思う。



ちなみに、薬だが、この手の薬となると米国では何でもTylenolだと聞いたことがあった。
そして案の定ここでも出てきたのはTylenol。
薬の剤形こそ小児用にシロップを加えて液体にしてあるが、TylenolはTylenol、100年以上前の薬である。人間の病気が進化していないからかもしれないが、これだけ薬の研究が進みながら、この領域(解熱、感冒)のfirst choiceがこれだけの間変わっていないというのも驚きである。空腹でも飲めるのがそんなにいいのか、致死性の低い病気(=風邪)については薬の研究が進まないのか・・・。



来春のJapan Trek(関連記事)の準備も、着手から一ヶ月ほどが経ち、早くも学生に企画の内容を説明し参加を呼びかけるInformation Sessionの日となった。

夕方、教室の一つを借り、プレゼンを行う。通常この手のイベントは昼休みに実施しないと集客が思わしくないのだが、我々の心配をよそに、100名近い観衆が集まり、立ち見の大盛況となった。

中には、提供した軽食だけ食べてすぐ消える輩も2-3名いたが、どこかの会社の幹部によるプレゼンなど競合するイベントもあったにも関わらず8割ほどの聴衆は最後まで会場に残り、熱心に説明を聞いていた。そういう意味では、説明会は成功だったといえるだろう。

しかし、説明された内容の伝えるところは、一言でいえば、
「日本はどこで大酒を飲んでもOKな国で、Japan Trekも毎日パーティーだ」
と要約されてもおかしくないものであった。それは確かに最大多数の関心をひいたかもしれないが、本当に日本に興味のある学生をひきつけられたのか、あるいは、学生の日本に対する具体的な興味を膨らませることができたのかには、大いに疑問符がつく。
実際の中身は、企業訪問もできるだけ沢山の会社に受け入れてもらえるよう努力しているし、その他の見物旅行も我々が日本の文化と考えるものをできるだけ見てもらえるように工夫がされている。我々がJapan Trekの企画運営に時間を使っている最大の理由の一つが、スローン学生の中での日本への理解・関心の向上にあるので、当然のことだ。結果的に参加者の過半がただのパーティー目的の連中になり、これらのせっかく用意したイベントにまったく参加しない、というような事態になれば、こうした準備が無駄になるばかりか、我々の訪問の受け入れを快諾いただいた企業のスローンに対するイメージ・評価の低下にさえつながる。そんな事態に至るために、労力をつぎ込んでいるのではない。

一方で、我々にとってはこれが文字通り最初の宣伝・マーケティング活動であり、その意味では今回の最大の目的は、聴衆の日本に対する理解の深化や、企画の詳細についての意見収集でもなく、一にも二にも多くの学生の興味をひき、彼らのアジェンダにJapan Trekを加えることだったはずだ。日本に興味がある人も、パーティーしか目がなかった連中も、まずはこの企画に興味をもってもらわないとその後のコミュニケーションが続かないし、コミュニケーションさえ続けば、客層も良くなっていくかもしれない。
少なくとも、今日の説明で、本当に日本に興味があり、我々が来て欲しいと思っていた人が、企画への興味を失い参加を見送る判断をした、ということがなければ、問題ないのかもしれない(検証できないが)。

ということで、微妙な心境でした。




今日をもって、DST(Daylight Saving Time = 夏時間)が終わった。日付の変更とともに変わるのかと思っていたが、厳密には午前2時をもって切り替わるらしい。

標準の時間から夏時間に切り替わるときには一時間時計が進んでしまうが、今回はその逆で時計が一時間戻る。
当たり前のことだが、ちょっと得した気分である。
物質的には何も得をしていないし、あとで(次回は来年の3月9日)また時計が一時間進むのだからゼロサムゲームなのだが、不思議なものである。

妻と二人、ちょっと夜更かしをしてしまった。



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PROFILE
HN:
Shintaro
性別:
男性
職業:
経営コンサルタント
趣味:
旅行、ジャズ鑑賞
自己紹介:
世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。

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