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在る偏屈者による半年遅れのMBA留学日記、そして帰国後に思うこと
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サッカーのJリーグは今日が最終節。
米国にいても、結果は気になる。
優勝は鹿島アントラーズの連覇というかたちで決まった。海外や他チームからの大型補強ではなく自前育成選手中心で掴み取った連覇は、本当に素晴らしい。
が、それ以上に興味をもってみていたのは、残留争い。
J2に自動降格する2チームのうち、一つは札幌で早々に決まっていたが、もう一つがこの日決まる。
可能性があるのは、千葉、東京ヴェルディ、磐田。
鹿島が連覇を達成する一方で、かつて鹿島と二強時代を築いた磐田がここに名を連ねていることが、スポーツマネジメントの難しさを物語っている。
3チームの中で、圧倒的に不利だったのは千葉。残りの2チームのいずれかが負けて、かつ自らが勝たなければ、自動降格が決まる。
これまでたびたびこうした状況に置かれて、そのたびに土俵際で踏みとどまってきた千葉だったが、今回こそは年貢の納め時かと思われたが、朝起きて結果を確認してみると、、、なんと千葉が勝利、残り2チームがいずれも敗れて、千葉の残留が確定していた(東京ヴェルディが自動降格)。

この奇跡の残留劇(安っぽい表現だが)を牽引したのは、シーズン途中で就任したスコットランド人のアレックス・ミラー監督。英国プレミアリーグの名門リヴァプールFCのヘッドコーチを1999年から務めてきた人物。今シーズンも首位を快走するこの世界的強豪チームから、極東の弱小リーグの弱小チーム(失礼)に指導者としてやってきたのである。ジェフ千葉はこれまでにもベルデニックイビチャ・オシムなどの優れた指導者を招聘してきたが、これらを実現してきたGMの祖母井秀隆氏が去った後もこうした世界的な指導者を招聘できたことには、改めて驚かされた。何せ、ミラー監督が就任した時点で、ジェフ千葉は11戦を終えて合計勝ち点たったの2点。つまり、0勝2分9敗でダントツ最下位、という惨状だったのである。よくこんな仕事を引き受けたものだ。残留達成後の英国BBCのインタビューでもミラー監督自身「200メートル走を50メートルのハンデを負って争うようなものだった」と語っている(⇒記事はこちら)。しかも同氏は、英国外のリーグでの競技歴・指導歴がほとんどない。現役生活の最終版に、香港のSouth China AAというチームで選手兼監督をやったことがあるだけである。「海外で監督をやってみる良いチャンスだった」と語っているが、それだけのためなら、もうちょっとマシなタテツケもあったのではないか。これほど酷い状況の方が、そして英国から遠く離れたサッカー後進国でのチャレンジの方が、失敗してもキャリアに傷がつかないと彼が考えた、という可能性もなくはないが、万一そうだったとしても、58歳という年齢でこれだけのチャレンジを自分ができるだろうかと想像すると、なかなか自信がない。
ともかくも、ミラー監督が就任した後のジェフ千葉は、新加入選手の活躍もあり、12節、13節と初の連勝。以降2度しか連敗せず、新監督就任後の23戦で計36点の勝ち点をあげて、前述のように一部リーグ残留を達成する。技術的にこれほど急激に進歩するとも思えないので、戦術や選手起用、モチベーション管理などの監督の手腕が貢献した部分が大きいのではないか。まさにコミットした結果をきちんと出す、プロの仕事である。

世界的かつ歴史的な不況の時代、コンサルタントの仕事も、「とても再建は無理ではないか」という会社・案件に出会うことが増えてくるかもしれない。そうした中に乗り込んでいって、これほどの短期間でチームを掌握して結果が出せるのか、そのための方法論は自分の中で確立されているのか、と自らを振り返ると、なかなか自信をもってYesと言い切れないことを思い知らされる。ビジネススクールも残り半年となったが、自らのプロとしての力量を強化し、ミラー監督のような「火中の栗拾い」ができるようなりたいものである。



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次女が1歳の誕生日を迎えた。
大騒ぎして感動した去年のあの日からもう一年が経ってしまったのかと思うと、嬉しいような、もったいないような、複雑な気持ちである。
ともあれ、ステーキと手作りのお誕生日ケーキでお祝い。
IMG_1629.jpg
こうして改めて写真でみると、去年のあの日にみた「アレ」とは同じイキモノと思えないほど成長している。

それにしても1年間、いろんなところに連れて行ったものだ。
プエルトリコ、バハマ、イタリア、日本、ニューヨーク、ワシントン、カナダ・・・。
当然ながら彼女はどれ一つ望んでいないし、どれ一つ覚えていないだろう。
すみませんねえ、親の勝手で。

また一年、元気で育ってください!




先日スローンの就職課のロビーを通りかかると、1年生らしき女性がじっとこちらをみている。あまり気に留めずに空いた椅子に腰をおろすと、彼女が近づいてきて、"Are you Shintaro?"と尋ねてきた。
Agnusという韓国人女性。驚いたことに、私は彼女と会ったことがあった。しかも4年も前に、ドイツのデュッセルドルフで。
所属するコンサルティング会社が全世界のコンサルタントを集めて毎年開催するサッカー大会がある。2004年にデュッセルドルフで開かれた大会に私は選手として参加し、当時ソウルオフィスでアシスタントだった彼女も応援に来ていたのだった。パソコンのハードディスクの空き容量が少なくなってきたので、彼女は古い写真を整理していたらしい。そしてそのディッセルドルフのサッカー大会の写真を整理しているときに、ちょうど私が前を通りかかったのだという。その写真がこれ↓
P9040031.JPG
なんという偶然!お互い同じ時期にスローンに留学するだけでも偶然なのに、ここまでピンポイントでタイミングが重なるとは・・・。

その際はお互いあまり余裕がなかったので、また今度ランチでも行きましょう、ということになり、それが今日実現した。
お互いデュッセルドルフでのイベントの昔話をした後、その後どうしていたの、ということで、それぞれの身の上話をする。彼女は2007年まで同じコンサルティング会社のソウルオフィスで働いた後、香港にあるAIGの投資部門で1年間働いて、スローンに来たという。AIGといえばサブプライム破綻の影響で瓦解しかかった会社であり、それを知ってのことではないにしても、彼女はよく上手いタイミングで抜けてきたものである。ただ、本来は卒業後も金融・投資の世界に戻りたかったらしく、昨今の経済情勢は彼女のキャリアプランにも大きく影を落としている。彼女曰く、やはりまだ韓国では女性がビジネスの世界で成功することは他国の場合に比べて難しいらしく、コンサルタントとして働いていた頃も、そうした壁を感じていたという。顧客として担当した韓国企業の幹部の中にも、女性に出会うことは皆無だったらしい。それに比べて投資、しかも公開市場投資であれば、基本的にはパソコンの画面に向かって分析や取引を行うだけで、物理的に社会に露出することが少なく、従って女性であることのハンデもそれほど問題にならない、というのが、その道に転進した理由だったそうで、1年間働いてみて、その仮説への確信を深めたという。場所として香港を選んだのも、そこが韓国に比べて投資関係の仕事を得やす場所だったというだけでなく、女性の社会進出がより進んでおり、また英語でビジネスができる場所だからだ、ということだった。
4年前とかわらずいつも笑顔を絶やさない明るい印象の彼女、キャリアを考える上での制約条件は私なんかよりずっと厳しいはずだが、常に話が前向きで、それでいて過度にガツガツした印象を受けないのが素晴らしい。また4年後に笑顔で昔話ができるように、お互い頑張りたいものである。





今年も11月第4木曜日ということで、Thanksgiving(感謝祭)。
去年は身重の妻が七面鳥を丸焼きにしてくれたが、今年は同級生のDamianのHome dinnerに招いてもらった。こういうのは、別に七面鳥がむちゃくちゃ食べたいからやっているわけではなく、米国文化の体験という意味合いがほとんどなので、「現地人」にご招待いただけると非常に嬉しい。また、New York州北部(=田舎)出身の彼のお母さんが土地の素材を持ってボストンに来て作ってくれる、ということで、味にも期待して、家族で出かけた。
Cambridge市の北隣のSomerville市にある彼のアパートは、もともと労働者クラスの一軒屋だったところをアパートに改装したもので、3階建ての建物を1階ずつ別の住人が使っていて、彼はその3階部分に大学時代からのルームメイトと住んでいる。周囲は落ち着いた住宅街、というところで、感謝祭やクリスマスのデコレーションがあちこちにみられる。
迎えてくれた彼のお母さんは、開拓時代の女性はこんなだったのかなあ、と思わせるような、素朴で芯の強そうな人。決して愛想笑いを浮かべるでも、こちらに話を合わせて来るでもなく、ただ不器用に座っている。そして振舞われた料理も、素朴だが味わいのある品々だった。メインは七面鳥ではなく地鶏。知り合いの農家から買ったらしい。付け合せのトウモロコシやサツマイモ、クランベリーなども、すべて土地のもの。
「誰が作ったかわからないようなものは食べない」。
米国は、やはり大農業国である。
IMG_1622.jpg



今日は11月のLobby Sale。

秋学期も2ヶ月余りが過ぎ、SloanGearの運営も軌道にのってきた。売上や資金繰りなどの「数字」の面だけではなく、運営上も個々の打ち手の位置づけや先々を見据えた活動を考え、実行できるようになってきた、という意味である。
例えば、売上の柱の一つであるスローン校舎ロビーでの商品販売(Lobby Sale)も、当初は「商品を仕入れて売る」という「作業」をこなすことで精一杯であったが、需要予測から仕入れに至る作業がチームの努力で効率的に回るようになり、最近ではセールごとの位置づけ/テーマ、それに基づく商品戦略、価格戦略などが議論できるようになってきた。今回でいうと、夏物から冬物への移行、などの我々の商品ポートフォリオ上の課題への対応と、感謝祭(Thanksgiving)直前というタイミングでのギフト需要対応、次回12月のセールとのバランス、などが議論され、アクションに落とし込まれた。また、「毎月やる」という方針を維持している限り放っておいてもやってくるLobby Saleへの対応だけでなく、収入源の多角化と業容の拡大という意味で、課題となっていたOBへの訴求も具体化されてきた。インフラとしては、Zazzleという小規模オンライン小売業支援サイトを活用して、全米各地に出荷できる本格的なオンラインショップを立ち上げることができたし、またマーケティング面でも、OBとのコミュニケーションを担当しているスローンの当該部署と話し合い、彼らが発行するニュースレターへの掲載にこぎつけることができた(発行は12月9日)。
やっと多少は、会社っぽくなってきたというか、チームとしての体を成してきたかなあ、と思う。一応私がCEOなのだが、10人のチーム全員が均等に出資しているし、また皆同級生なので、「コレヲヤレ」「アレヲヤレ」と「正しい」指示をすれば組織が動くわけではなく、それなりに気を遣う。それぞれがSloanGearの経験から得たいものや、各自の学生生活の中におけるSloanGearの重みも違うし、それをとやかくいう権利はだれにもないわけで、結局はそうしたものを所与としてできることをやるしかない。かといって淡々とこなしていても自分としての学びがないので、多少いろいろなことに手を出している。去年のチームを見て、もっとできるだろう、と思ったものだが、外野からみるのと当事者になるのとの違いを今、実感している。

当事者としての苦労といえば、実に素朴な、基本的なところで未だに苦労する。
例えば天候。私が基本的に雨男なので文句は言えないのだが、Lobby Saleのたびに雨が降る。今日も雨。雨が降ると学生がロビーで屯するという意味ではポジティブなのだが、倉庫から校舎までの商品の搬送が大変。
またセールの後に毎回在庫量を把握しなければならないのだが、販売時に正確な情報を捕捉しきれないため、「当初在庫-販売量」という理論上の在庫把握では追いつかず、結局毎回売れ残りを手で数えなければならない。
こうした作業ははっきりいって面倒くさいし、そうした面倒くさい作業においてどれだけチームの士気・やる気を維持・向上させるか、という問題には、ずっと答えがみつからない。とりあえず自分が率先してやる、というくらいしか具体的な答えがなく、今のところチーム内の平等な参画という視点よりも、できる人・やってくれる人にやってもらう、という「現実的」な視点が先に立っている。後半年ほどでチーム解散とはいえ、これでいいのか、というのは常に思うが、なかなか対案が見出せていない。

と、いろいろ書いてきたが、Good Newsは、売れていること。
今のところ、去年のチームよりもお蔭様で売上は順調に伸びている。この日も30万円以上の売上が上がった。やはり売れることが、自分のモチベーションにもチームの士気にも一番効く。
皆さん、お買い上げどうもありがとうございます。




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PROFILE
HN:
Shintaro
性別:
男性
職業:
経営コンサルタント
趣味:
旅行、ジャズ鑑賞
自己紹介:
世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。

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