「 Tanzania Trip 5 …巨大なクレーターの中で 」
サファリ4日目、この日はンゴロンゴロ保全地域のクレーターの中に入る。
ンゴロンゴロは、大昔の火山活動でできたカルデラで、標高1,800mほどの円形の平地を、標高2,400mほどの外輪山が取り囲んで出来ている。東西約19km、南北約16kmで、カルデラとしては世界有数の規模を誇る。全体の大きさだけでいうと日本の阿蘇カルデラ(東西約18km・南北約25km)と同じような規模だが、外輪山に囲まれた盆地が非常に平坦なので、感覚的には阿蘇よりも大きく見える。そしてその盆地に、東アフリカのサバンナで見ることのできるほとんどの動物が生息している。セレンゲティに比べると、キリン、インパラ(食料となる木や茂みが少ない)、ワニ(外輪山を越えて来られなかった)などはいないが、希少なクロサイを見ることができるのが特徴である。人の立ち入りも慎重に管理されており、盆地の中に降りる道は3本しかない。もちろん、盆地内での居住や商業活動は禁止。マサイ族もここにはいない。ホテルも全て外輪山の上に建てられている。まさに動物の楽園として保全されているのである。
そんな背景からか、ここの動物たちは、セレンゲティのそれ以上に人の存在を気にしない。シマウマやヌーも、警戒心が薄れているのか、あまり密な群れを作らず、広く散在している。サファリの車は予め整備された道(もちろん未舗装)しか通ることが許されていないのだが、その道で動物たちがゴロゴロしていて、なかなか進めなかったりもする。ただ時間に追われないサバンナの散策では、そんなこともご愛嬌。天井の開け放たれたサファリ用四駆車で風を受けながらのんびりと行く。
盆地にはいくつかの小さな池と大きな湖がひとつあって、湖にはこの時期、フラミンゴが飛来している。ここを含めて3箇所ほどを、季節に応じて移動しているそうだ。運転手のセレマニが遠くの湖を指差して、「あそこにフラミンゴがいる」と教えてくれたときは、なかなかわからなかったが、徐々に近づいてゆくと、何となくピンク色に見えた湖面が、実は無数のフラミンゴに埋め尽くされていることに気づかされる。とにかくもの凄い数である。またそのすぐ脇を、シマウマやヌーが徘徊しているという構図も、アフリカらしくて面白い。
セレマニの運転技術は大したもので、窪地や小川も器用に乗り越えてゆく。それでも、大雨が降って道がぬかるむと、タイヤがとられて身動きできなくなることもあるらしい。そうしたトラブルが発生すると、客の国民性が出る、というのが彼の分析。彼によると米国人が一番付き合いやすく、車がぬかるみにはまると、大雨の中を一緒になって車を押してくれて、「こんなの見たことない!」「冒険っていう感じでいいね!」とむしろ喜ぶこともあるという。対照的に英国人は、ぬかるみからの脱出がどんなに大変でどんなに時間がかかっても、まず絶対に手伝ったりせず、車の中で怒っているらしい。またフランス人は、車のトラブルなどはあまり気にしないのだが、お目当ての動物、特に旅行代理店で「必見ですよ」と言われた動物が見られないと、カンカンに怒り出すらしい。日本人は?と尋ねると、まずあまり来ないのと、来たとしても日本の旅行代理店の添乗員が同行してきて、苦情などはその添乗員に言うため、自分にはわからない、とのこと。なるほどなあ、と思う。
セレンゲティほど広くなく、また道も少ないので、見所には車が集中する。走っていて、行く手に数台のサファリ車が集まっているのが見えてくると、だいたいそこにはライオンやらチーターやらがいる。皆、相変わらず人を恐れない。またこちらも、彼らが満腹で人を襲う気がないと知っているため、あまり恐れがない。
ただ、クロサイに出会ったときは、多少の緊張があった。道を横切って湖の方に向かう一頭のクロサイに出会ったので、写真を撮るために車を止めたのだが、クロサイが通り過ぎた後でエンジンをスタートさせようとすると、動かなかったのだ。バッテリーとスターターを結ぶ回路の結着が弱まっていたのだが、クロサイは凶暴で気分を害すると攻撃してくるらしく、かなり遠くまで去ってこちらを気にしていないのを確認してから、ボンネットを開けて素早く修理。無事車は走り出した。
これで4日間に及んだサファリ体験もおしまい。
明日は未明にここンゴロンゴロを発し、キリマンジャロ空港から飛行機に乗って、ザンジバル島へと向かう。
最後にセレマニと記念撮影。
お世話になりました。
ンゴロンゴロは、大昔の火山活動でできたカルデラで、標高1,800mほどの円形の平地を、標高2,400mほどの外輪山が取り囲んで出来ている。東西約19km、南北約16kmで、カルデラとしては世界有数の規模を誇る。全体の大きさだけでいうと日本の阿蘇カルデラ(東西約18km・南北約25km)と同じような規模だが、外輪山に囲まれた盆地が非常に平坦なので、感覚的には阿蘇よりも大きく見える。そしてその盆地に、東アフリカのサバンナで見ることのできるほとんどの動物が生息している。セレンゲティに比べると、キリン、インパラ(食料となる木や茂みが少ない)、ワニ(外輪山を越えて来られなかった)などはいないが、希少なクロサイを見ることができるのが特徴である。人の立ち入りも慎重に管理されており、盆地の中に降りる道は3本しかない。もちろん、盆地内での居住や商業活動は禁止。マサイ族もここにはいない。ホテルも全て外輪山の上に建てられている。まさに動物の楽園として保全されているのである。
そんな背景からか、ここの動物たちは、セレンゲティのそれ以上に人の存在を気にしない。シマウマやヌーも、警戒心が薄れているのか、あまり密な群れを作らず、広く散在している。サファリの車は予め整備された道(もちろん未舗装)しか通ることが許されていないのだが、その道で動物たちがゴロゴロしていて、なかなか進めなかったりもする。ただ時間に追われないサバンナの散策では、そんなこともご愛嬌。天井の開け放たれたサファリ用四駆車で風を受けながらのんびりと行く。
盆地にはいくつかの小さな池と大きな湖がひとつあって、湖にはこの時期、フラミンゴが飛来している。ここを含めて3箇所ほどを、季節に応じて移動しているそうだ。運転手のセレマニが遠くの湖を指差して、「あそこにフラミンゴがいる」と教えてくれたときは、なかなかわからなかったが、徐々に近づいてゆくと、何となくピンク色に見えた湖面が、実は無数のフラミンゴに埋め尽くされていることに気づかされる。とにかくもの凄い数である。またそのすぐ脇を、シマウマやヌーが徘徊しているという構図も、アフリカらしくて面白い。
セレマニの運転技術は大したもので、窪地や小川も器用に乗り越えてゆく。それでも、大雨が降って道がぬかるむと、タイヤがとられて身動きできなくなることもあるらしい。そうしたトラブルが発生すると、客の国民性が出る、というのが彼の分析。彼によると米国人が一番付き合いやすく、車がぬかるみにはまると、大雨の中を一緒になって車を押してくれて、「こんなの見たことない!」「冒険っていう感じでいいね!」とむしろ喜ぶこともあるという。対照的に英国人は、ぬかるみからの脱出がどんなに大変でどんなに時間がかかっても、まず絶対に手伝ったりせず、車の中で怒っているらしい。またフランス人は、車のトラブルなどはあまり気にしないのだが、お目当ての動物、特に旅行代理店で「必見ですよ」と言われた動物が見られないと、カンカンに怒り出すらしい。日本人は?と尋ねると、まずあまり来ないのと、来たとしても日本の旅行代理店の添乗員が同行してきて、苦情などはその添乗員に言うため、自分にはわからない、とのこと。なるほどなあ、と思う。
セレンゲティほど広くなく、また道も少ないので、見所には車が集中する。走っていて、行く手に数台のサファリ車が集まっているのが見えてくると、だいたいそこにはライオンやらチーターやらがいる。皆、相変わらず人を恐れない。またこちらも、彼らが満腹で人を襲う気がないと知っているため、あまり恐れがない。
ただ、クロサイに出会ったときは、多少の緊張があった。道を横切って湖の方に向かう一頭のクロサイに出会ったので、写真を撮るために車を止めたのだが、クロサイが通り過ぎた後でエンジンをスタートさせようとすると、動かなかったのだ。バッテリーとスターターを結ぶ回路の結着が弱まっていたのだが、クロサイは凶暴で気分を害すると攻撃してくるらしく、かなり遠くまで去ってこちらを気にしていないのを確認してから、ボンネットを開けて素早く修理。無事車は走り出した。
これで4日間に及んだサファリ体験もおしまい。
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経営コンサルタント
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世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。
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