「 Latin America trip 1 Lima ...途上国の香り 」
MBA最後の長期休暇となる1月の休暇を利用して、台湾人の友人Steveと、南米ペルー・チリを旅することにした。南米は学生時代から一度は旅してみたいと思っていた地域であるが、言葉の壁、地理的な遠さから、なかなか実現できなかった。米国在住中は大きなチャンス、と思っていたが、それを実現させてくれた家族、特に妻(娘二人とボストンに残って私を旅行に行かせてくれた)には本当に感謝している。そうして与えられた折角の機会、記憶を風化させないように、旅行の記録を記しておきたい。
まずはアトランタ経由でペルーの首都リマに入った。深夜0時過ぎに宿に到着し、翌朝8時半に起床して朝食をとる。疲れているはずだったが、緊張して気が高ぶっているのか、目が覚めてしまった。宿は日系3世の当山ペペさんの営むペンション。食堂のテレビにはNHKが映っている。妙な感じである。
食事後、両替などの「立ち上げ作業」を済ませる。銀行の隣に両替屋があり、その前には路上両替屋が歩いている。それぞれそれなりに繁盛している。どれを選ぶかは各自の判断次第、ということのようだ。
ペルーの貨幣「ソル」を手に入れ、タクシーで旧市街へと向かう。タクシーはすべて無認可(というか認可制度そのものがないらしい)で、クルマは中古の日本車が多く、狭く混雑した道をめちゃくちゃアグレッシブに走る。交通量が多い一方で信号が極端に少ないので、強引に自己主張しながら走らないと、いつまで経っても目的地に着かないらしい。
20分ほどで旧市街の一端であるSan Martin広場に到着。アルゼンチン出身のペルー独立の英雄San Martinの騎馬像が広場の中央にそびえる。
アンデスを越え、チリを経て、スペインの南米支配の根拠地であるリマにやってきた彼の目に、この街はどのように映ったのだろうか。今、日本から太平洋を越え米国を経てやってきた僕は、ひなびた途上国の旧市街、という印象しか感じられない。日曜日の朝だからかもしれないが、意外なほど人通りも少ない。メインストリートであるウニオン通りに入っても、まだ半分ほどの店しかシャッターが上がっていない。店の外観はどれも崩れかかったようで、お世辞にも綺麗とはいえない。かつて訪れたウズベキスタンの首都タシケントより更に悪い。
ただ、主な広場の周りの情景は、植民地時代の面影を色濃く残し、旅情をかきたてる。San Martin広場からウニオン通りを抜けた北側にあるArmas広場はその典型。広場を囲んで並ぶスペイン統治時代の建物が、少しひなびた色合いで佇む様子は、実に絵になる。
しかし広場の裏側を流れる川を越えると、そこは別世界。スラムに限りなく近い街並みが、遠くの丘まで続く。美しい広場とその貧民街のコントラストが、リマの街の混沌を象徴しているようだ。
いくつかの教会を見物した後、歴史のありそうなレストランで昼食。この旅最初のペルー料理として注文したのはセビチェ。生の魚介類をレモン汁や香辛料などで和えた、ペルー沿岸部の代表的な料理である。この日のセビチェはヒラメのような白身魚を使っていた。酸味と辛味が食欲をそそり、魚の歯ごたえと旨みが口に残る。シンプルだがなかなかいける料理である。
午後は新市街の外れにある古代のピラミッドへ。インカ帝国よりもずっと古い古代リマ文化時代(紀元6-8世紀)のものだそうで、日干しレンガを接着剤を使わずに積み上げるのが同文化に代表的な建築手法らしい。遺跡は復元中で、今も手作業で失われた部分のレンガが積み上げられていた。
そこから土産物屋を冷やかしつつ、新市街を歩く。Steveは土産物が大好きで、「オミヤゲ」という日本語も知っているほど。商品を吟味するための時間も使うし、予算も一桁違う。ここでは8,000円ほどで、大きなヘチマの実に彫刻を施した置物を購入していた。
中流・上流階級と思われる家々やホテルが並ぶ新市街を南に歩いていると、やがて海に出る。太平洋である。断崖の下にビーチがある。夕陽に映えているためか、海岸線の風景は思いのほか美しい。パラグライダーが飛び交い、カップルが戯れている。海岸沿いのマンションは、見るからに高級そうで、街のほかの部分から隔絶している。基本的に海に近づくほど所得水準が上がるらしい。
途上国の首都の様々な表情に触れ、これからの旅で見るものの多様さを想像させられた一日であった。
まずはアトランタ経由でペルーの首都リマに入った。深夜0時過ぎに宿に到着し、翌朝8時半に起床して朝食をとる。疲れているはずだったが、緊張して気が高ぶっているのか、目が覚めてしまった。宿は日系3世の当山ペペさんの営むペンション。食堂のテレビにはNHKが映っている。妙な感じである。
食事後、両替などの「立ち上げ作業」を済ませる。銀行の隣に両替屋があり、その前には路上両替屋が歩いている。それぞれそれなりに繁盛している。どれを選ぶかは各自の判断次第、ということのようだ。
ペルーの貨幣「ソル」を手に入れ、タクシーで旧市街へと向かう。タクシーはすべて無認可(というか認可制度そのものがないらしい)で、クルマは中古の日本車が多く、狭く混雑した道をめちゃくちゃアグレッシブに走る。交通量が多い一方で信号が極端に少ないので、強引に自己主張しながら走らないと、いつまで経っても目的地に着かないらしい。
20分ほどで旧市街の一端であるSan Martin広場に到着。アルゼンチン出身のペルー独立の英雄San Martinの騎馬像が広場の中央にそびえる。
アンデスを越え、チリを経て、スペインの南米支配の根拠地であるリマにやってきた彼の目に、この街はどのように映ったのだろうか。今、日本から太平洋を越え米国を経てやってきた僕は、ひなびた途上国の旧市街、という印象しか感じられない。日曜日の朝だからかもしれないが、意外なほど人通りも少ない。メインストリートであるウニオン通りに入っても、まだ半分ほどの店しかシャッターが上がっていない。店の外観はどれも崩れかかったようで、お世辞にも綺麗とはいえない。かつて訪れたウズベキスタンの首都タシケントより更に悪い。
ただ、主な広場の周りの情景は、植民地時代の面影を色濃く残し、旅情をかきたてる。San Martin広場からウニオン通りを抜けた北側にあるArmas広場はその典型。広場を囲んで並ぶスペイン統治時代の建物が、少しひなびた色合いで佇む様子は、実に絵になる。
しかし広場の裏側を流れる川を越えると、そこは別世界。スラムに限りなく近い街並みが、遠くの丘まで続く。美しい広場とその貧民街のコントラストが、リマの街の混沌を象徴しているようだ。
いくつかの教会を見物した後、歴史のありそうなレストランで昼食。この旅最初のペルー料理として注文したのはセビチェ。生の魚介類をレモン汁や香辛料などで和えた、ペルー沿岸部の代表的な料理である。この日のセビチェはヒラメのような白身魚を使っていた。酸味と辛味が食欲をそそり、魚の歯ごたえと旨みが口に残る。シンプルだがなかなかいける料理である。
午後は新市街の外れにある古代のピラミッドへ。インカ帝国よりもずっと古い古代リマ文化時代(紀元6-8世紀)のものだそうで、日干しレンガを接着剤を使わずに積み上げるのが同文化に代表的な建築手法らしい。遺跡は復元中で、今も手作業で失われた部分のレンガが積み上げられていた。
そこから土産物屋を冷やかしつつ、新市街を歩く。Steveは土産物が大好きで、「オミヤゲ」という日本語も知っているほど。商品を吟味するための時間も使うし、予算も一桁違う。ここでは8,000円ほどで、大きなヘチマの実に彫刻を施した置物を購入していた。
中流・上流階級と思われる家々やホテルが並ぶ新市街を南に歩いていると、やがて海に出る。太平洋である。断崖の下にビーチがある。夕陽に映えているためか、海岸線の風景は思いのほか美しい。パラグライダーが飛び交い、カップルが戯れている。海岸沿いのマンションは、見るからに高級そうで、街のほかの部分から隔絶している。基本的に海に近づくほど所得水準が上がるらしい。
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男性
職業:
経営コンサルタント
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世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。
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