「 Election Eve ...大統領選挙前夜 」
いよいよ明日、米国第44代大統領の座をかけた選挙の投開票が、米国全土で行われる。
明日の今頃には、大勢が決しているのだろうか。
両候補とも最後の追い込みにせいを出しているが、TV、新聞、インターネット、どのメディアもオバマ氏の優勢を伝えている。20以上の票数を有する大票田7州のうち、CNNの事前調査の結果オバマ氏の勝利が統計的にほぼ確実なのが4州(カリフォルニア、ニューヨーク、ペンシルバニア、イリノイ)、対してマケイン氏が抑えているのはテキサス州のみで、混戦となっているのはオハイオ州とフロリダ州の2州。特にオハイオでは両陣営の終盤の必死のアピールが目立っていた。
CNNやワシントンポストなどの大手メディアの報道は非常に分析的で、各メディアのインターネットサイトには消化しきれないほどの情報が溢れかえっている。非常に使い勝手良く、細かい情報が拾えるようになっているのだが、とにかく情報量が多いので、結局どちらがどのくらいの確度で勝ちそうなのか、その確度が高まっているのかそうでないのか、実はわかりにくかったりもする。全体を包括した指標として支持率というものもあるが、予備選以降の両氏の支持率の差は10%程度でほぼかわっておらず、最も開いたときでも13%ほど、現在は7%ほどまで「接近」している。これだけみると、接戦なのか、とも思ってしまう。
こうした多種多様かつ大量の情報を統合的にみる手段として、Prediction Marketというものが使われている。これは、ある出来事が発生如何を株に見立てて、その株の売買市場を構築することで、株価推移がその出来事(今回であればオバマ氏の大統領選勝利、あるいはマケイン氏の大統領選勝利)の発生確率を示すようになる。対象となる出来事が発生した場合には、一株あたり1ドルの払い戻しを受けることができるので、例えば現在のオバマ株の価格が90セントだとすると、市場は90%の確率でオバマ氏が当選するとみている、ということになる。こうした賭博サイトは当然米国では違法であるため、海外の会社が運営している。例えばPrediction Marketの代表例であるIntrade.comはアイルランドの会社が運営するサイトであり、サイトに参加する「投資家」は、米国人を含め、自分のカネを突っ込んでいる。従って「投資家」は自らのリターン最大化のためにあらゆる情報を集め、ゆえにそうした投資家の情報収集と判断の結果である「市場価格」は巷に溢れる情報を最大限に活用した最も確からしい予想、ということになる。
そして、このIntrade.com上のオバマ株の株価推移がこれ↓
民主党の大統領候補に選出されて以来、「株価」は60セント(つまり当選確率60%)前後でほぼ横ばいであったが、9月11日に米国民がテロの恐怖を思い出すと国防に強いマケインに支持が移りオバマ株は一時50セントを割る。しかし9月15日のリーマン・ブラザーズの破綻を端緒として経済が混迷の度合いを増すと、一気にオバマ株が上昇、11月に入るとついに90セントを超えた。
同様の仮想市場はいくつか存在するが、いずれの市場でもオバマ株はこれに近い値動きをしており、直近の株価は90セントを超えている。
オッズに置き換えると、1.1倍程度。大本命の数字である。
さて、明日これがどうなるか。
そして、より重要なことは、その結果米国、日本、世界がどうなるかー。
ちなみに海の向こうの日本では、こうした選挙の時期が、ほぼ与党の「意思」によって選択できるため、いつ衆議院を解散するか、でずっとスッタモンダをやっている。
聡明な首相の「今は選挙より景気対策だ」という英断により、昔懐かしいバラマキ景気対策が考案され、国民にもクーポン券みたいなヤツが配られるかもしれないらしい。これで上昇気流を演出し、支持率を上げ、その勢いで選挙戦に勝利、ツケの支払いは後で「誰か」がやる、というシナリオだろうか。財源はどうするのか、という容易に予想される追及に応えるためか、将来の消費税増税は言及されたが、そもそも恐らく麻生政権の次の政権が泥をかぶるスケジュールであろうし、肝心の行政改革は完全に忘却の彼方である。
目先の利権だけに注目した内輪の論理では、世界の注目も尊敬も、集めることはできないのにー。
ちなみに前掲のintrade.comでは、日本が来年も不況かどうかについての「市場」も開設されたが、取引がなされずに放置されている。世界が日本の経済を理解できないのか、関心がないのか・・・。
明日の今頃には、大勢が決しているのだろうか。
両候補とも最後の追い込みにせいを出しているが、TV、新聞、インターネット、どのメディアもオバマ氏の優勢を伝えている。20以上の票数を有する大票田7州のうち、CNNの事前調査の結果オバマ氏の勝利が統計的にほぼ確実なのが4州(カリフォルニア、ニューヨーク、ペンシルバニア、イリノイ)、対してマケイン氏が抑えているのはテキサス州のみで、混戦となっているのはオハイオ州とフロリダ州の2州。特にオハイオでは両陣営の終盤の必死のアピールが目立っていた。
CNNやワシントンポストなどの大手メディアの報道は非常に分析的で、各メディアのインターネットサイトには消化しきれないほどの情報が溢れかえっている。非常に使い勝手良く、細かい情報が拾えるようになっているのだが、とにかく情報量が多いので、結局どちらがどのくらいの確度で勝ちそうなのか、その確度が高まっているのかそうでないのか、実はわかりにくかったりもする。全体を包括した指標として支持率というものもあるが、予備選以降の両氏の支持率の差は10%程度でほぼかわっておらず、最も開いたときでも13%ほど、現在は7%ほどまで「接近」している。これだけみると、接戦なのか、とも思ってしまう。
こうした多種多様かつ大量の情報を統合的にみる手段として、Prediction Marketというものが使われている。これは、ある出来事が発生如何を株に見立てて、その株の売買市場を構築することで、株価推移がその出来事(今回であればオバマ氏の大統領選勝利、あるいはマケイン氏の大統領選勝利)の発生確率を示すようになる。対象となる出来事が発生した場合には、一株あたり1ドルの払い戻しを受けることができるので、例えば現在のオバマ株の価格が90セントだとすると、市場は90%の確率でオバマ氏が当選するとみている、ということになる。こうした賭博サイトは当然米国では違法であるため、海外の会社が運営している。例えばPrediction Marketの代表例であるIntrade.comはアイルランドの会社が運営するサイトであり、サイトに参加する「投資家」は、米国人を含め、自分のカネを突っ込んでいる。従って「投資家」は自らのリターン最大化のためにあらゆる情報を集め、ゆえにそうした投資家の情報収集と判断の結果である「市場価格」は巷に溢れる情報を最大限に活用した最も確からしい予想、ということになる。
そして、このIntrade.com上のオバマ株の株価推移がこれ↓
民主党の大統領候補に選出されて以来、「株価」は60セント(つまり当選確率60%)前後でほぼ横ばいであったが、9月11日に米国民がテロの恐怖を思い出すと国防に強いマケインに支持が移りオバマ株は一時50セントを割る。しかし9月15日のリーマン・ブラザーズの破綻を端緒として経済が混迷の度合いを増すと、一気にオバマ株が上昇、11月に入るとついに90セントを超えた。
同様の仮想市場はいくつか存在するが、いずれの市場でもオバマ株はこれに近い値動きをしており、直近の株価は90セントを超えている。
オッズに置き換えると、1.1倍程度。大本命の数字である。
さて、明日これがどうなるか。
そして、より重要なことは、その結果米国、日本、世界がどうなるかー。
ちなみに海の向こうの日本では、こうした選挙の時期が、ほぼ与党の「意思」によって選択できるため、いつ衆議院を解散するか、でずっとスッタモンダをやっている。
聡明な首相の「今は選挙より景気対策だ」という英断により、昔懐かしいバラマキ景気対策が考案され、国民にもクーポン券みたいなヤツが配られるかもしれないらしい。これで上昇気流を演出し、支持率を上げ、その勢いで選挙戦に勝利、ツケの支払いは後で「誰か」がやる、というシナリオだろうか。財源はどうするのか、という容易に予想される追及に応えるためか、将来の消費税増税は言及されたが、そもそも恐らく麻生政権の次の政権が泥をかぶるスケジュールであろうし、肝心の行政改革は完全に忘却の彼方である。
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経営コンサルタント
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世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。
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