「 Interview with Dean ...学部長からみたスローン生の強みとは 」
Japan Clubで運営しているウェブサイトMIT Sloan 101のコンテンツとするために、スローンのDean(学部長)であるDavid Schmittlein氏にインタビューする機会を得た。
同級生のKazのリードで進められたインタビューの全容は、MIT Sloan 101で近日公開予定であるが、ここでは私の関心をひいた、二つの軸での比較論を書きとどめておきたい。
①日本のスローン卒業生と他のアジア諸国のスローン卒業生の比較
日本のスローン卒業生の明確な特徴は、歴史の差によるその数の多さと、平均年齢の高さ。
そしてそれらに支えられて、一部上場企業レベルでのトップマネジメントに卒業生が多く存在することだという。
確かに、NTTドコモやキリンビールなどの有名企業で、スローン卒業生は社長やそれに次ぐ地位で活躍されている。
対して、インドや中東などでは、スローン卒業生の目立った活躍は報道されるものの、一様に皆まだ若く、社会全体への影響力という点では日本の場合よりも小さいかもしれない。
残念なことは、その強力な卒業生陣が必ずしも上手く組織化されていないことであるが、その点については氏は触れなかった。
②MITスローンと他のビジネススクールの比較
氏は昨年までWhartonで副学部長を務めていたという経歴の持ち主で、Whartonをはじめとする他のビジネススクールとの比較については頻繁に質問されるらしく、明確な視点をもっておられた。
曰く、「スローン生は、外国人比率や女性比率などの統計数値でみると他校学生とそれほど大差ないが、なぜここで学びたいのか、という点については、他校の学生よりも深い考えを持っている。ブランドは必ずしも第一選択基準ではなく、それ以上の理由をもっている」
そしてこの背景として、二つの事実を紹介してくれた。
一つは、入学選考時のインタビューのやり方。いまや全米のトップビジネススクールで、選考インタビューを学校職員が直接行っているのは、スローンとHBSだけだという。他は、Whartonを含め、2年生か卒業生が中心となってインタビューしている。確かに、学校職員が直接面接を行う方が、学校側の戦略や求める学生像に沿った選考ができるだろうし、学生の質が思わしくない方向に行っていた場合や世の中の人材ニーズが変化してきた場合に、軌道修正がききやすいだろう。
もう一つは、入学選考時の競争倍率。同様に、全米のトップビジネススクールで、10倍以上の有効競争率を維持しているのは、スローンとStanfordだけらしい。これは学生規模の少なさも大きく影響していると思われるが、いずれにせよこの高い競争率ゆえに、学校側が学校の戦略や方向性にあった「質の高い」学生を選べるのだという。従って、来年度完成予定の新校舎など環境が整っても、学生規模を増やす考えはないらしい。
極めて明確で、合理的な戦略だと感じた。
最後に、インタビューの終わりに氏が言及し、印象に残った一言を記しておきたい。
"MIT is all about the idea of change the world!"
お忙しい中お時間を割いてくれた氏に、感謝。
同級生のKazのリードで進められたインタビューの全容は、MIT Sloan 101で近日公開予定であるが、ここでは私の関心をひいた、二つの軸での比較論を書きとどめておきたい。
①日本のスローン卒業生と他のアジア諸国のスローン卒業生の比較
日本のスローン卒業生の明確な特徴は、歴史の差によるその数の多さと、平均年齢の高さ。
そしてそれらに支えられて、一部上場企業レベルでのトップマネジメントに卒業生が多く存在することだという。
確かに、NTTドコモやキリンビールなどの有名企業で、スローン卒業生は社長やそれに次ぐ地位で活躍されている。
対して、インドや中東などでは、スローン卒業生の目立った活躍は報道されるものの、一様に皆まだ若く、社会全体への影響力という点では日本の場合よりも小さいかもしれない。
残念なことは、その強力な卒業生陣が必ずしも上手く組織化されていないことであるが、その点については氏は触れなかった。
②MITスローンと他のビジネススクールの比較
氏は昨年までWhartonで副学部長を務めていたという経歴の持ち主で、Whartonをはじめとする他のビジネススクールとの比較については頻繁に質問されるらしく、明確な視点をもっておられた。
曰く、「スローン生は、外国人比率や女性比率などの統計数値でみると他校学生とそれほど大差ないが、なぜここで学びたいのか、という点については、他校の学生よりも深い考えを持っている。ブランドは必ずしも第一選択基準ではなく、それ以上の理由をもっている」
そしてこの背景として、二つの事実を紹介してくれた。
一つは、入学選考時のインタビューのやり方。いまや全米のトップビジネススクールで、選考インタビューを学校職員が直接行っているのは、スローンとHBSだけだという。他は、Whartonを含め、2年生か卒業生が中心となってインタビューしている。確かに、学校職員が直接面接を行う方が、学校側の戦略や求める学生像に沿った選考ができるだろうし、学生の質が思わしくない方向に行っていた場合や世の中の人材ニーズが変化してきた場合に、軌道修正がききやすいだろう。
もう一つは、入学選考時の競争倍率。同様に、全米のトップビジネススクールで、10倍以上の有効競争率を維持しているのは、スローンとStanfordだけらしい。これは学生規模の少なさも大きく影響していると思われるが、いずれにせよこの高い競争率ゆえに、学校側が学校の戦略や方向性にあった「質の高い」学生を選べるのだという。従って、来年度完成予定の新校舎など環境が整っても、学生規模を増やす考えはないらしい。
極めて明確で、合理的な戦略だと感じた。
最後に、インタビューの終わりに氏が言及し、印象に残った一言を記しておきたい。
"MIT is all about the idea of change the world!"
お忙しい中お時間を割いてくれた氏に、感謝。
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経営コンサルタント
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世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。
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