チームメートのMMさんが、娘のJuliaの誕生日パーティに我々家族を招いてくれた。
MMさんは我が家の次女の出産が間近に迫っていることを気にかけてくれていて、いざというときに長女を預かることも申し出てくれていた。今回も、長女を彼女の家族に慣れさせる良い機会と考えてくれたようだ。
Intelからの社費留学である彼女の自宅は、スローンの校舎あるいは地下鉄Kendall駅からすぐ近くの高級マンションにある。Red Soxの岡島投手も住んでいる高層マンションの12階に、2LDKを借りて住んでいる。午後のお茶の時間に、我々を含めた4家族をそこに招いてくれた。カップケーキと飲み物のみの簡単なパーティだが、多国籍子供軍団は思い思いにおもちゃで遊んでいて、楽しそうであった。最近人前に出ると金縛りにあったように動かなく・しゃべらなくなってしまう我が娘も、時が経つにつれ徐々に場に馴染んで、恐る恐る動物の人形で遊んだりしていた。
以前に住んでいたコロラドの自宅から運んだという家具は、簡素だが重厚感のある木製のもので統一され、大きめのソファーとともに居心地の良い部屋を演出している。窓からはCharles川やその向こうのボストンの街が見渡せる。素晴らしい部屋である。
ただ、一ヶ月の家賃は3,000ドルほどらしいその部屋よりも格好良いのはMMさん夫妻自体である。
妻のMMさんはスウェーデンの出身の32歳、米国の大学を出て技術者としてIntelに入社し、今年からスローンに留学している。ただのMBAではなく、スローンとSchool of Engineeringとの横断プログラムであるLFM(Leader for Manufacturing)を学んでいて、我々以上にタフな勉強量をこなしている(そもそも授業のコマ数が多い)。こう書くと、勉強ばかりしている技術屋さん、という感じだが、実は高校から始めたというゴルフでは数々の受賞歴を持ち、レッスンプロの資格までもっている。大学時代はゴルフで飯を食っていくことを真面目に考えたほどらしい。無理をしない範囲で何でも卒なくこなすので、育児をしながらハードな勉学に耐えている、というような悲壮さはまったくない。
米国人の夫(彼もまたイニシャルMMで区別できないので、単に夫と書く)は、アウトドアが似合う爽やかな男性。米国公認会計士(CPA)としてコロラドで活躍していたが、MITで勉強したいという妻を支えようと事務所を辞め、今は主夫として娘の面倒をみたり家事をこなしたりしている。ただ、いつ会っても、言葉だけでなく本当にその生活を楽しんでいるようで、家庭疲れのようなものは微塵も感じられない。妻の同級生とも友人として広く付き合っているようで、買い物を頼まれてやったりしているらしい。
日本でも仲の良い夫婦は沢山みるし、我が家も仲の良い方だと思うが、彼らのように夫婦そろって高学歴で、それをまったくひけらかすことなく、カネにも執着せず、お互いに尊敬し合い、自分たちの生活を楽しんでいる人というのは、なかなか現実世界でみたことも聞いたこともない(ドラマとかにはいそうだが)。とにかく、格好良い。まあ、真似はできないし、ポジションが遠すぎて真似をしようという気にもならないが、心意気だけでも見習いたいものである。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。
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