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在る偏屈者による半年遅れのMBA留学日記、そして帰国後に思うこと
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オバマ次期大統領の勝利演説に感動した翌日、毎日新聞のニュースサイトに掲載される麻生首相のぶらさがり記事(立ち話形式の官邸でのインタビュー内容をベタ打ちにしたもの)を読んで、愕然とした。

その横柄な話し方もさることながら、内容がない。当事者意識もまるでない。

象徴的なのが、日銀利下げをめぐるやり取りである。

---以下、抜粋---

記者: 日銀なんですけれども。

首相: 日銀、はい

記者: およそ7年半ぶりに利下げをしました。これに対して総理の受け止めをお聞かせください。

首相: そうですねえ、もう0コンマ5でずっと下に張り付いていましたから、なかなか下げようたってそんな下げる幅が他の国みたいに「4を1にする」とか「3を1にする」というわけにはいきませんから。まあ0コンマ2、まあいいとこじゃないでしょうかね。

記者: 市場では、下げ幅が物足りなかったというような見方もありますけれど。

首相: 市場の話はちょっと私に聞かれても答えようがないね。

(毎日新聞サイトの全文はこちら
---------

テ、テキトーすぎる。
こんなんでいいのか。

米国については、米国型資本主義の終焉、あるいはレーガン以来続いた市場万能路線の終焉がいわれていて、恐らくそれは正しいように思われるが、少なくとも新たなカタチを模索する「自浄作用」が働いているように見える。
日本は、無能な政治体制化での長すぎる不況に完全に麻痺してしまったのか、この「自浄作用」の萌芽が見当たらない。

恐ろしいことだと思う。

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我々が米国に来て以来続いていた大統領選挙は、バラク・オバマ上院議員を第44代米国大統領に選出して、幕を閉じた。

オバマ氏がこの国を率いることが、我々の家族や日本にとって、例えばマケイン氏が率いる場合より良いのかはわからない。

ただ、この出来事には、改めてこの国の凄さを思い知らされた。

アフリカ系米国人であるという事実だけでも凄いが、彼の生い立ちからアラサガシをしようと思えば、きりがない。
父親はケニア人のイスラム教徒であり、イスラム戒律に従えばオバマ氏自身も自動的にイスラム教徒となる。実際、ミドルネームはフセイン。
オバマ氏自身もケニアで生まれたという説もあり、米国大統領として立候補する資格がないと訴訟までされている。
白人の母はケニア人の夫(オバマ氏の実父)と18歳で結婚し、4年後には離婚、その3年後には今度はインドネシア人と結婚してインドネシアに移るなど、保守的な有権者は眉をひそめそうな遍歴。

それでも、才能と情熱とカリスマがあれば、アフリカ系米国人として唯一の上院議員に43歳で当選し、47歳で大統領に選出された。

韓国系、アイヌ系に対する差別どころか、2世議員でないと宰相の座につけなくなってしまった日本とは、雲泥の差である。おのずから、リーダーの力量、器の違いは決定的であろう。

米国は自国が世界だと思っている、という批判もあるし、私自身そういう批判的な見方をしていたが、今日のこの歴史的事実を見せつけられ、オバマ氏の勝利演説を聞くに、そういう勘違いもわからないではない、という気がした。



いよいよ明日、米国第44代大統領の座をかけた選挙の投開票が、米国全土で行われる。
明日の今頃には、大勢が決しているのだろうか。
両候補とも最後の追い込みにせいを出しているが、TV、新聞、インターネット、どのメディアもオバマ氏の優勢を伝えている。20以上の票数を有する大票田7州のうち、CNNの事前調査の結果オバマ氏の勝利が統計的にほぼ確実なのが4州(カリフォルニア、ニューヨーク、ペンシルバニア、イリノイ)、対してマケイン氏が抑えているのはテキサス州のみで、混戦となっているのはオハイオ州とフロリダ州の2州。特にオハイオでは両陣営の終盤の必死のアピールが目立っていた。

CNNやワシントンポストなどの大手メディアの報道は非常に分析的で、各メディアのインターネットサイトには消化しきれないほどの情報が溢れかえっている。非常に使い勝手良く、細かい情報が拾えるようになっているのだが、とにかく情報量が多いので、結局どちらがどのくらいの確度で勝ちそうなのか、その確度が高まっているのかそうでないのか、実はわかりにくかったりもする。全体を包括した指標として支持率というものもあるが、予備選以降の両氏の支持率の差は10%程度でほぼかわっておらず、最も開いたときでも13%ほど、現在は7%ほどまで「接近」している。これだけみると、接戦なのか、とも思ってしまう。

こうした多種多様かつ大量の情報を統合的にみる手段として、Prediction Marketというものが使われている。これは、ある出来事が発生如何を株に見立てて、その株の売買市場を構築することで、株価推移がその出来事(今回であればオバマ氏の大統領選勝利、あるいはマケイン氏の大統領選勝利)の発生確率を示すようになる。対象となる出来事が発生した場合には、一株あたり1ドルの払い戻しを受けることができるので、例えば現在のオバマ株の価格が90セントだとすると、市場は90%の確率でオバマ氏が当選するとみている、ということになる。こうした賭博サイトは当然米国では違法であるため、海外の会社が運営している。例えばPrediction Marketの代表例であるIntrade.comはアイルランドの会社が運営するサイトであり、サイトに参加する「投資家」は、米国人を含め、自分のカネを突っ込んでいる。従って「投資家」は自らのリターン最大化のためにあらゆる情報を集め、ゆえにそうした投資家の情報収集と判断の結果である「市場価格」は巷に溢れる情報を最大限に活用した最も確からしい予想、ということになる。
そして、このIntrade.com上のオバマ株の株価推移がこれ↓
ObamaSharePrice.png
民主党の大統領候補に選出されて以来、「株価」は60セント(つまり当選確率60%)前後でほぼ横ばいであったが、9月11日に米国民がテロの恐怖を思い出すと国防に強いマケインに支持が移りオバマ株は一時50セントを割る。しかし9月15日のリーマン・ブラザーズの破綻を端緒として経済が混迷の度合いを増すと、一気にオバマ株が上昇、11月に入るとついに90セントを超えた。
同様の仮想市場はいくつか存在するが、いずれの市場でもオバマ株はこれに近い値動きをしており、直近の株価は90セントを超えている。
オッズに置き換えると、1.1倍程度。大本命の数字である。

さて、明日これがどうなるか。
そして、より重要なことは、その結果米国、日本、世界がどうなるかー。

ちなみに海の向こうの日本では、こうした選挙の時期が、ほぼ与党の「意思」によって選択できるため、いつ衆議院を解散するか、でずっとスッタモンダをやっている。
聡明な首相の「今は選挙より景気対策だ」という英断により、昔懐かしいバラマキ景気対策が考案され、国民にもクーポン券みたいなヤツが配られるかもしれないらしい。これで上昇気流を演出し、支持率を上げ、その勢いで選挙戦に勝利、ツケの支払いは後で「誰か」がやる、というシナリオだろうか。財源はどうするのか、という容易に予想される追及に応えるためか、将来の消費税増税は言及されたが、そもそも恐らく麻生政権の次の政権が泥をかぶるスケジュールであろうし、肝心の行政改革は完全に忘却の彼方である。
目先の利権だけに注目した内輪の論理では、世界の注目も尊敬も、集めることはできないのにー。
ちなみに前掲のintrade.comでは、日本が来年も不況かどうかについての「市場」も開設されたが、取引がなされずに放置されている。世界が日本の経済を理解できないのか、関心がないのか・・・。



米国にいながらも、世界のスポーツ、特にサッカーについては、わりと動向を追っている。
今年のサッカー界は、「下克上」がテーマである。
イタリア(セリエA)では、マラドーナを要した80年代後半以降、1部と2部の間をうろついているばかりだったナポリが一時首位に立つ快進撃を見せているし、ドイツでは昨シーズン初めて1部に昇格したばかりのホッフェンハイムという地方クラブが強豪を倒して現在も首位、オランダでも御三家(アヤックス、PSV、フェイエノールト)が出遅れる中、AZ、NACといった中堅クラブが首位争いを演じている。
全体的には比較的順当な順位構成になっているイングランドでも、23年ぶりに1部に昇格したストーク・シティというクラブが、強豪アーセナルを倒したというニュースが衝撃的に伝えられた。
サブプライム問題に端を発する米国経済の凋落で米国の覇権の終焉を指摘する声も少なくないが、「覇権の終焉」は伝染するものなのか・・・(ちょっと大げさか)。

そして日本でも、まったく予想していなかった下克上が起きた。
大分トリニータが、ナビスコ・カップで初優勝したのである。

大分トリニータは、1993年にJリーグが発足した翌年の1994年に発足。今でこそ、日韓ワールドカップの恩恵で素晴らしいスタジアムも備え、プロサッカークラブの体を成しているが、何の母体もなく発足した当初は、文字どおりゼロからのスタート。大分県リーグ1部(当時は1部リーグしかなかったので、要するにサッカー・ピラミッドの最下層)から参画して、九州リーグ制覇、全国地域リーグ決勝大会2位と着実にステップアップし、1999年からJ2、2003年からJ1に参加している。しかしながら、多くのJ1チームがプロ野球のように実業団チームを母体にして潤沢な資金をもつ一方で、大分はJ1でも最低レベルの運営資金でのやりくりを強いられ、リーグでの成績も昨シーズンまで2006年の8位が最高であった。

ところが今年は、リーグ戦では現在4位。首位とは勝ち点差わずかに2で、数字上は十分優勝を狙える位置にある。
そして今日、清水エスパルスを2-0で下して、ナビスコ杯初優勝。
試合をみていないので順位が実力を反映しているのか何ともいえなかったが、ここまでくると「ホンモノ」だろう。

このチームに私が注目しているのは、チームの成功物語ゆえだけでなく、一人の選手がいつも気になっているからだ。
FWの高松大樹選手。2000年に当時J2の大分に入団し、現在では27歳ながらチームの最古参。キャプテンも務める。
まだチームがJ1に昇格する前であったが、高松選手はアテネ五輪日本代表チームに選ばれていたので、顔と名前は当時から知っていた。
ある日、地方からJ1を目指す大分トリニータを特集したコーナーを、スポーツニュースか何かの中でみる機会があった。土のグラウンドで練習をし、練習の合間には駅前で寒空の下、試合を宣伝するビラを配る選手の姿が映し出されており、まだ20歳になるかならないかの高松選手も、鼻水をこすりながらビラを配っていた。年齢は1つ違うのだが、風貌が実の弟に良く似ていて、妙に感情移入してしまったのを、今でもはっきりと覚えている。
その後も、チームはJ1に昇格したものの、泣かず飛ばず。都会での露出が少ない高松選手は、全国区で超有名になることもなく、また日本代表にも2試合ほど出たものの、定着できていない。一方チームで当確をあらわした選手は、梅崎司(現浦和)を筆頭に、松橋章太(現神戸)、三木隆司(現名古屋)など、おカネのあるチームに次々と移籍していった。高松選手の下にも、浦和などからオファーが寄せられたこともあった。
しかし、サポーターの強い支持もあり、高松選手は残留。大分で腐らずに努力を続け、そして今日のナビスコ杯決勝では決勝ゴールとなるヘディング・シュートを決めて大会MVPに選出された。
田舎で頑張る実の弟が大仕事をやってのけたようで、実に嬉しい。

そしてまた、プロとしてマジメに努力を続け、ここという場面で結果を出すことの大切さを、再確認した。

FWは、試合に出たら点をとる。
監督は、大会に出たらタイトルをとる。
コンサルタントは、雇われたら結果を出す。

そういうのが、やはりカッコいい。



米国ニューイングランドの秋は、結構忙しい。
9月は新学期のバタバタに追われ、ささやかな夏の余韻を忘れないように楽しむ。
10月は紅葉狩り、リンゴ狩り、ハロウィーン。
11月は感謝祭、加えて今年は大統領選挙。
そして12月はクリスマス。

毎月のようにイベントがあって、そのたびに飾り付けをし、食事やお菓子を用意し、大量にゴミを捨てる。罪深い生活スタイルだなあ、とは思いつつも、やはりせっかくだから、と一生懸命それをこなしていってしまう。

というわけで、今日はハロウィーン。
もともとはケルト人の土着信仰的なお祭りだったらしいから、宗教色がまったくないわけでもないが、子供に仮装させて参加させたいという親の気持ちの方が強いのか、国籍や宗教に関係なくほとんどの子持ち家族が参加する。
去年はハロウィーンが何なのか、いつなのかも良くわからず、ただただ流れについていくだけのような状態であったが、今年は親子ともに要領がわかっているので、より楽しめたように思う。

カボチャのお化け(Jack-o'-Lantern)も、自分たちで大小のカボチャを買ってきて製作!
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衣装もばっちり二人分用意(一つはお下がりだけど)!
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地元の消防署のイベントにも参加!
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日本人家族がいなくなってしまった寮のハロウィーンパーティーにも張り切って参加!
IMG_1517.jpg IMG_1518.jpg

…とやることはやった気がするが、終わってみると親子ともにぐったり。
娘さんたちは泥のように眠っています。

おつかれさまでした。




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PROFILE
HN:
Shintaro
性別:
男性
職業:
経営コンサルタント
趣味:
旅行、ジャズ鑑賞
自己紹介:
世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。

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