恥ずかしながら、米国運転免許の路上試験に落ちた。
写真入で、年齢・住所が判別できる身分証明証として免許証は極めて有効で、特に酒販規制にうるさいマサチューセッツ州ではこれがないと酒を買うためにパスポートを持っていく羽目になるため、車を持っていなくても免許証は取得を勧められる。
私も勉強が本格的に忙しくなる前(それがいつかまだわからないが)にこういうことは済ませたいと思いながら、延び延びになっていたところ、9月24日(月)はMIT学生の休日と知り、路上試験の予約を入れていた。ちなみにこの月曜日の休業はほぼ毎月あって、「Suiside Day」などと呼ぶ人もいる。どこまで本当かわからないが、いわゆるガリ勉の多いMITの学生が勉強のし過ぎでおかしくなって自殺する事件があったため、それを予防するために羽を伸ばす日を設けたのだとか。少なくとも、suicideするための日ではない。
予備情報では、路上試験は楽勝とのことだった。カネで何でも解決できる国(!?)らしく、試験官に領収証のでない100ドルを払って「お願いします」といえば、1ブロックをぐるっと廻ってハイおしまい、なのだという(もちろん「それなりの」国の運転免許を既に取得していることが前提だが)。私もそれをすっかりあてにして、アメリカの交通法規の勉強もろくにせず、100ドルの現金を持ってノコノコと指定された場所にいった(そもそも指定された場所は車でないといけず、また試験用の車も持参することになっているのだから、いい加減なものだ)。
行ってみると、会場として指定されていたのは、夏場は休業しているスケートリンクの付設駐車場。公安局だとかの役所はおろか、人影すらない。
10分ほど待っていると、サングラスをかけた若い男性が車で現れ、自分が試験官で、これからここを起点にロードテストをやるという。いきなり100ドル渡すのも変かと思い躊躇していると、身分を確認され、さあ始めよう、という。素直に車に乗り込むと、男性は車の周りをうろうろしながら、前哨灯をつけろ、尾灯をつけろ、ブレーキランプはどうか、と状態確認をしている。マジメだなあ、と思っていると、助手席に乗り込んできて、今度は手信号の実演をやれという。一夜漬けでやった筆記試験勉強の情報をもとに何とか誤魔化したが、どうも「1ブロックをぐるっと廻ってハイおしまい」とは何やら様子が違う。
車が進行を始めると、すぐに「様子の違い」はより明らかになった。1ブロックどころか、全部で10ブロックくらいは廻っただろうか、右左折はもちろんのこと、見通しの悪い場所での確認や、3点ターン、縦列駐車など、盛りだくさんの内容。それなりにこなしたと思ったが、終わって告げられたのは不合格。一時停止の際の停止が不完全だったのと、縦列駐車の際に指示器が出ていなかったのが原因らしい。
再試験は何度でも受けられるし、コストがかかるわけでもないので、それほど実利上のダメージがあるわけではないが、精神的にダメージを受けた。やはり、何事も油断大敵である。今度は最初から100ドル渡そう(!?)。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。
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