「 $100K 2009 Final …不況下のビジネスプラン・コンテスト 」
MIT名物の一つ(といってもいいだろう)である$100Kビジネスプラン・コンテストの最終審査会が、今年も盛大に行われた。昨年は自分自身も参加者として首を突っ込んでいたこともあって、イベントに対する気持ちの入り方が今年とは随分違ったように思うが、それを差し引いたとしても、昨年の同イベントとは、いくつかの点で有意な違いを感じた。その違いを一言で表現するならば、不況下のビジネスプラン・コンテスト、ということに行き着くのかもしれない。
まず、最終選考に残ったビジネスプランの中身であるが、昨年に比べて、市場の将来的な大きさ・可能性よりも、事業としての具体化の度合いが重視されていたように感じた。もちろん、昨年も事業としての具体化の度合いは重要な評価項目であったと思うが、今年の最終選考に残ったプランは、既に製品が出来ているだけでなく、流通上のパートナーが見つかっているだとか、一定の投資が行われているだとかというものが多かった。優勝したチーム(コンピューターのソフトウェアの更新時に再起動を必要としなくするサービス)に至っては、既にサービスを提供するためのソフトウェアだけでなく、それを走らせるサーバーも整っていて、それだけに説得力があった。投資家の視点として、昨年までに比べて決して潤沢でないであろう資金を投じるのに、確実性を重視する度合いが増したとしても、驚きではないであろう。
また、残念ながらスローン生のプレゼンスが昨年に比べると低かったように感じられた。昨年は最終選考に残った複数のチームで、全員ではないにせよ、スローンの学生が活躍していたが、今年はMITの他の学部の学生が多かったように思う。昨年と違って、私自身が予選の過程を見ていないので、もしかしたらエントリー段階では昨年を上回る数のスローン生がいて、残念ながら途中で脱落してしまったのかもしれないが、それでもやはり残念な気がする。そしてその原因は、不況で卒業後の就職先や夏のインターン先がなかなか決まらず、多くの学生が就職活動に例年以上の労力を費やさざるを得なかったという事実と、決して無縁ではないように思う。
最後に、最終選考会そのものの運営・司会進行であるが、昨年に比べて多少ぎこちなかったように思う。スローン生を中心に構成される運営チームの努力は並大抵もモノではないし、この不況下で昨年とほぼ同じフォーマットのコンテストを実現させた彼らへの賞賛は惜しまないが、少なくとも当日の司会進行は、昨年の方がスムーズであったような気がする。まあこればかりは、事前の準備云々よりも、個人の能力による部分が大きいような気もするが(昨年のリーダーだったカナダ人同級生は、本当に凄いタレントだと思う)、これもやはり不況の影響で、運営上の他の側面(資金集めなど)や就職活動に時間をとられ、練習のための十分な時間が確保できなかったという要因もあるのではないか、と推察する。
ともあれ、未曾有の不況下にあっても、こうしたビジネスプラン・コンテストを実現しようという学生がいて、そこに参加しようという学生がいて、そこに資金を提供しようという企業や投資家がいるというのは、米国の素晴らしさと底力の一つであろう。
参加された学生(特にスローン生)の皆さん、本当にお疲れ様でした。
まず、最終選考に残ったビジネスプランの中身であるが、昨年に比べて、市場の将来的な大きさ・可能性よりも、事業としての具体化の度合いが重視されていたように感じた。もちろん、昨年も事業としての具体化の度合いは重要な評価項目であったと思うが、今年の最終選考に残ったプランは、既に製品が出来ているだけでなく、流通上のパートナーが見つかっているだとか、一定の投資が行われているだとかというものが多かった。優勝したチーム(コンピューターのソフトウェアの更新時に再起動を必要としなくするサービス)に至っては、既にサービスを提供するためのソフトウェアだけでなく、それを走らせるサーバーも整っていて、それだけに説得力があった。投資家の視点として、昨年までに比べて決して潤沢でないであろう資金を投じるのに、確実性を重視する度合いが増したとしても、驚きではないであろう。
また、残念ながらスローン生のプレゼンスが昨年に比べると低かったように感じられた。昨年は最終選考に残った複数のチームで、全員ではないにせよ、スローンの学生が活躍していたが、今年はMITの他の学部の学生が多かったように思う。昨年と違って、私自身が予選の過程を見ていないので、もしかしたらエントリー段階では昨年を上回る数のスローン生がいて、残念ながら途中で脱落してしまったのかもしれないが、それでもやはり残念な気がする。そしてその原因は、不況で卒業後の就職先や夏のインターン先がなかなか決まらず、多くの学生が就職活動に例年以上の労力を費やさざるを得なかったという事実と、決して無縁ではないように思う。
最後に、最終選考会そのものの運営・司会進行であるが、昨年に比べて多少ぎこちなかったように思う。スローン生を中心に構成される運営チームの努力は並大抵もモノではないし、この不況下で昨年とほぼ同じフォーマットのコンテストを実現させた彼らへの賞賛は惜しまないが、少なくとも当日の司会進行は、昨年の方がスムーズであったような気がする。まあこればかりは、事前の準備云々よりも、個人の能力による部分が大きいような気もするが(昨年のリーダーだったカナダ人同級生は、本当に凄いタレントだと思う)、これもやはり不況の影響で、運営上の他の側面(資金集めなど)や就職活動に時間をとられ、練習のための十分な時間が確保できなかったという要因もあるのではないか、と推察する。
ともあれ、未曾有の不況下にあっても、こうしたビジネスプラン・コンテストを実現しようという学生がいて、そこに参加しようという学生がいて、そこに資金を提供しようという企業や投資家がいるというのは、米国の素晴らしさと底力の一つであろう。
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経営コンサルタント
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世の中を素直に見ることが苦手な関西人。
MITスローン校でのMBA、プライベート・エクイティでのインターン、アパレル会社SloanGearの経営、そして米国での生活から、何を感じ、何を学ぶのかー。
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